[BlueSky: 3401] 小規模バイオガス施設の可能性


[From] さがわひろゆき [Date] Mon, 4 Jun 2001 21:58:50 +0900

こんにちは、佐川です。

中澤さんwrote:
> さがわさんの[3385]のお答えによれば,集合住宅ならば台所排水さ
> えなんとかすれば有効かもしれないということですね。どれくらい
> の規模なら有効だとかいったデータはどこかにあるのでしょうか?
> 台所排水がダメなのは洗剤が入っているからですか?

台所・洗濯排水がダメなのは、有機汚濁濃度が低すぎるからです。
現在、実用運転されているものはビール工場の排水などの有機汚濁
成分が数千mg/lを超える高濃度な産業排水用のものです。

例:日立造船UASB排水処理システム
  http://www.hitachizosen.co.jp/kankyo/uasb/uasb1.html

#UASB排水処理システムは、低濃度な家庭排水にも応用可能らしい
#ですが、詳しいことは分かりません。

LASについては『嫌気性バイオテクノロジー』(技報堂出版)に
よれば、「10mg/lでわずかに阻害を示し、100mg/lでメタン発酵を
完全に阻害する」とありますので、洗濯排水程度の濃度であれば大き
な問題にはならないと思いますが、『Q&A 水環境と洗剤』(ぎょう
せい)によれば、界面活性剤は嫌気プロセスでは分解速度が非常に遅
くなるそうです。また、バイオガス施設からの排水はそのまま放流す
るには汚濁濃度が高いので、好気性プロセスを組み込んで再処理する
必要があるそうです。

現時点では、各戸単位の排水対策としては、合併浄化槽が処理性能的
にもコスト的にも有利ですね。




それでは。


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