[BlueSky: 334] Re:325:現実と錯覚


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Sat, 7 Aug 1999 10:41:13 +0900

葛貫です。

中澤さん【325】
>子ども=自由への制約,という気持ちがあるのかもしれません。
>とすれば,ぼくが[162]で書いて,後藤さんが[186]でまとめて
>くださった,(もしかしたら錯覚かもしれない)「自由」欲が,
>ここでも問題の核心にあるのかもしれないなあ,と思いました。

【162】
>まとまりがなくて済みませんが,つまり,自由意思の放棄=思考停止
>ではなくて,自由意思によって自己がその一部を構成する生態系を
>適切に制御することが自然に起こるようにする,という夢物語です。

中澤さんが【162】で書かれたことは、今年の4月と7月頃に科学MLで
話題になった宗教と科学に関する問題に通じるように思われます。

前にも書きましたが、私には、ある時代、ある社会、ある個人が持っ
ている価値体系は、本能的、感情的、知的な快・不快の総和である
ように感じられます。
人間の行動は、本能を司る遺伝子支配の部分と、ミーム支配の部分
があり、本能的なものや感情的な反応を否定的にとらえる傾向が強い
現在では、ミーム=外から与えられる情報に支配される部分が大きい
のだと思います。
本能的なものは、生物の生存を左右する生得的で人類共通なものか
もしれませんが、感情的、知的な要素は、育った環境の大きな影響を
受ける後天的なものであるように思われます。
それだけに、錯覚や仮想現実にはまらないために、自分の価値体系
やそれを形作っている情報のチェックを行い、何が仮説で、何が原理・
公理なのかを見極め、自分の行動を選択する必要があるのだと思います。

私の学生時代はキャリア・ウーマンがもてはやされていました。
その路線で頑張ってきた友人の中には、出産年齢の限界を前に焦りを
感じたり、不妊治療に通ったり、もう出産は無理だと宣告(?)されたり、
いろいろな苦労をしている人がいます。
今は、安室奈美恵さんが20歳そこそこで子供を生んだこと等の影響か
若い、幼いと言ってもいいようなお母さんも増えているようです。
生物の基本的な行動である次世代を産むことさえ、流行に左右されてしま
うところがあるのかもしれません。
お馬鹿な「自由」に取り憑かれ、取り返しのつかないことにならないよう、
自己制御するわざを身につけなければ、ですね。

Y.Kuzunuki <kuzuny@geocities.co.jp>


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