[BlueSky: 3212] Re:3211 ブッシュ政権、京都議定書不支持


[From] yuichiro komiya [Date] Thu, 5 Apr 2001 18:02:07 +0900

ゲンゴロウさんこんにちは、小宮です。環境と経済、
本当に難しい問題ですよね。


> 産業競争の方向を環境保全の方向に向け
> たなら、決して環境と産業・経済活動とに矛盾を起こさな
> いことも可能なのではないでしょうか。

僕もそう思います。そもそも環境保全も、経済発展も、結局は
目指すところ(幸せな生活)はほとんど同じはずなのに、なんで
こう矛盾してしまうんでしょう?環境保全というのは、経済発展
よりも目立った効果が見えないから、どうしても軽視されてしまう
のかもしれませんね。長期的な利益というものを全ての人が
見通せるようになれば、環境問題ももっと重視されて、解決が
簡単になるのかもしれませんが。

> 問題は、その方向性を人や国家などに持たせることになり
> ます。アメリカという国家の方向性が、どうも環境を考え
> ていない経済競争を未だにしているので、突然、その方向
> 性が変わるとアメリカの体質(精神)に関わるような気が
> します。
> つまり、今までの競争において、あるルール(資本主義=
> 環境無視の方向)で先端を走っているから先頭なのに、
> ルールを変えて、「ゴールは違う方向」と決めたら、もし
> かするとビリッケツになってしまいかねないからで、国民
> をその方向に走らせるのは、国民の根本の考え方を変える
> ことになり、先頭を走ってきたからこそ、難しいのではな
> いかと思ってしまいます。

個人単位で環境意識を高めていくという解決策は、最も有効な
方法なのでしょうけど、やはりそう簡単にはできないようですね。
昔、囚人のゲームとかの話もあったと思いますが、みんなが
実行すれば解決する問題でも、一部の人が裏切れば、他の皆は
損をしてしまう。それで結局みんな実行しない、っていう話が
ありましたよね。まったく僕も、温暖化が進んで将来大変なことに
なるっていうのが分かっているのに、なんで電気の無駄遣い、
エネルギーの無駄遣いをしてるんだろう、と思うことがありますよ。

アメリカの件に話を戻しますが、やはりアメリカがここまで不支持を
明確にしたのは、アメリカが経済的に危機的状態にあるからだろう
と思います。経済的に余裕があるうちならまだ京都議定書に参加し、
他国と同調する余裕もあったのかもしれませんが、今はアメリカ
経済は大幅な株安で壊滅的な状態にあります。2台車を持って
いる人が、3台目の車を買うのをあきらめるくらいで目標達成できる
のなら話は簡単なんでしょうが、職を失って将来のあてがなくなっ
たり、自己破産したりする人が出るのであれば、そう簡単には議定
書支持はできないのでしょう。(ブッシュ大統領は不支持の理由と
して、アメリカは今エネルギー危機で、CO2排出を抑制するためエネ
ルギー資源を天然ガスに切りかえることができない、といっている
ようです)

日本も、まったく状況は同じなんだろうと思います。エネルギーの
効率化が進んでいる日本の場合、京都議定書の目標を達成しよ
うと思えば、原発の増設や、いろいろな規制をひくなりのかなり
明確なCO2抑制策を実行しなければなりません。それで経済が
悪化すれば、企業が倒産して路頭に迷う人も出てくる。一般の
家庭でも、ぎりぎりの生活をしているところであれば生活必需品の
値段が上がるのは大きなダメージを受けるでしょうし。

将来的には経済と環境を融合させた、新しい経済学というのが
生まれてくるのかもしれません。環境保全を考えながら、人類
全体で経済発展を続けていくような。そのためには各国が協調
することが必要だと思うのですが、何か今は世界各国がぎくしゃく
している気もします。環境保全も問題ですが、それが元で世界
各国が憎しみ合うようになれば、そちらの方が事態は深刻だと思います。

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小宮 祐一郎
can32960@pop07.odn.ne.jp




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