[BlueSky: 3205] ブッシュ政権、京都議定書不支持


[From] "yuichiro komiya" [Date] Thu, 29 Mar 2001 22:51:18 +0900

こんにちは、小宮です。

以前も話題になりましたが、前から予想されていたとおり、
ブッシュ政権が、地球温暖化防止に向けて先進国が二酸化
炭素削減目標を決めた京都議定書を支持しない方針を明らか
にしたそうです。

京都議定書への不支持を表明 米ブッシュ政権[毎日新聞3月29日]
http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/010329/dom/11000000_maidome031.html

理由としては、途上国に削減義務がなく、その状況では削減に
かかる巨額の費用と効果が見合わず、米国の経済的利益に反
する、ということらしいです。。[2553]で一ノ瀬さんが京都議定書
は不完全で、実施は難しいということを言われていましたが、
それが表に出たような形になってしまったと思います。特に今は
アメリカ経済はひどい状況ですので、なおさら景気を悪くするよう
な環境税の導入や、企業活動の規制などはやりたくないというこ
となのでしょう。

ただ、だからといって温暖化対策をまったく放棄するのではなく、
今後二酸化炭素を出さない原発を建設することで温暖化対策を
進める方針がでているようです。

チェイニー副大統領が原発推進発言 温暖化対策で[毎日新聞3月22日]
http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/010322/dom/20300000_maidomm025.html


ところで、日本はどうなのか、日本もアメリカ以上に経済はがたがた
で、京都議定書で定めた数値目標を守ることなんかとてもできは
しないんじゃないのか?と思ったのですが、環境省の報道資料を
みると、詳細な検討がなされているようです。

温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会報告書概要について(環境省)
http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=2525
検討内容
http://www.env.go.jp/press/file_view.php3?serial=2088&hou_id=2525

[内容]
・1990年度から1998年度までの8年間でエネルギー起源の二酸化炭素
の総排出量は、66,874千トン(1990年比6.4%増)増加
・運輸、民生部門は増加しているが、産業部門は減少
・単位発電量当たりのCO2排出量は改善しているが、エネルギー消費量
が増加しているため、全体としてCO2排出量は増えている。
・現在の延長で技術開発、効率化が進み、原発を13基増設したと仮定
するとしてもCO2排出量は現在より増加する。ー6%達成にはさらに
追加的な対策が必要。

ということで、かなり日本でも目標達成は厳しいようです。本当に達成する
ためには環境税の導入や、クリーンエネルギーの開発等をより積極的に
進める必要があるのでしょうが、現在の経済対策に追われているような
政府の状況で、そこまで余力があるかどうかはちょっと疑問です。

しかし、何はともあれ排出量が大きいアメリカが抜けるのは影響が大きい
と思います。アメリカも結局温暖化で困るのは同じことだし、チェイニー
副大統領の発言にもあるとおり、経済に悪影響が出ないのであれば、
温暖化対策に反対もしないだろうと思います。やっぱりもう一度削減目標
を見なおして、先進国にも不満がでない公平なもの(途上国にも削減目標
を定める)として、世界でまとまって温暖化対策の技術開発、技術提供を
勧めていくことはできないでしょうかね?








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