[BlueSky: 3148] Re:3140 利他的な遺伝子


[From] Ken Goto [Date] Sun, 18 Mar 2001 14:44:30 +0900

後藤@帯畜大です。

葛貫さん【3140】:
> > (7) What is level 3?
> > We are what we think. All that we are arises with our thoughts.
> > With our thoughts we make the world. -- Buddha
>
> 和訳ではありませんが、「色即是空、空即是色」ということなのだ
> と思います。【3124】に後藤さんが書いていらした「空間によっては、
> 宇宙は私をつつみ、一つの点のようにのみこむ。考えることによって、
> 私が宇宙をつつむ。」と通じるものがあるように思われます。
> #私自身は、無宗教で「人はその望んだところのものとなる」という
> #サルトルの言葉が好きなのですが。
どうも有難うございました。色即是空ということなのだとは想像しませんでした。
機会があればまた考えてみます。

僕自身も、一応、無神論者ですが、晩年(といっても、30歳前後だっ
たと思いますが)キリスト教徒になったパスカルの思想はとても好きで
す。

サルトルはね、手段を選ばぬ闘争を好んだ全共闘諸君の教祖的存在とし
て崇められていたので、一度も読んだことはありません。

葛貫さん【3145】:
> #私は、運はあったのでしょうけれど「だから何?」と思ってしまう。
> #のめり込むとか根性とかいう世界にはいなかった。
> #研究者としての基本的な資質が欠けていたんだなと思いました(笑)
いや、僕が話題にしたのは、「最高級の研究を達成した」と僕が唸った
人物の「一つの」姿勢です。

> 「鈍」というより、如何に他のものに気を散らさないでいられるか、
> 対象に集中できるか、どれだけの思い入れを持っているかなのだと
> 思います。谷崎潤一郎が源氏物語を現代語に訳したのは第二次世界
> 大戦中の世の中がメチャクチャな時期だった。物的に恵まれた環境
> にいたことも確かなのだと思いますが、世の中の事情など斟酌する
> 余裕がないほど、源氏物語のとりこになっていたとも言えるわけで。
女は、(一般的に)、男への愛のシグナルを無意識的に送っているそう
ですね。で、女どうしだと、誰(女)が誰(男)を好いてるか、だいた
い分かるらしい。でも、男は(一般的に)そのシグナルを受容するアン
テナの性能が極端に悪いか、欠除していて、認知できないと言われてい
ますね。つまり、鈍なわけです。まぁ、鈍という言葉にこだわる必要は
ないのですが、泰然自若とした部分、と言ったらよいでしょうか?煩悩
からの自由独立、と言ってもよいかもしれません。

戦争中についてのことで思い出すのは、唯物論研究会の創設者の一人、
戸坂潤という哲学者です。敗戦の直前に長野の刑務所で獄死させられて
しまいました。正しく強く朗らかな、という形容がピッタリの人物で、
あの暗いファシズムの時代に、陽気にファシズムと戦いました。その著
作はきわめて論理明晰です。

・・・戦争に関連して、浮世ばなれしていたかもしれない人物が例とし
てあげてあったので、敢然とファシズムに戦った人々もいるのだ
よ、というヒントを、若い世代の方々のために出しておきました。

後藤 健
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生命を考える http://www.obihiro.ac.jp/~rhythms
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