[BlueSky: 3036] 知識と実感


[From] 長谷川 [Date] Sat, 3 Mar 2001 01:33:09 +0900

こんにちは、ダイです。

葛貫さん;
出来上がってきた文献を読んで「要するにこういうこと」と150字
位にまとめる仕事を日常的にしていると、「要するにこういうこと」
というピースを寄せ集めて、パチパチとジグソーパズルを組んで、
世の中を知ったような気になってしまう。
佐藤さん:
類推(一つの学問体系から得られた帰納的法則を他の学問体系にあてはめ、
その法則を今度は演繹的に流用する)は、思考を拡大するには良いのでしょうが、理
論的にははじめから破綻しています。中略 今のところ私がたよりにしてる事は
自分のコモンセンス(常識)だけかもしれない。
→そう思います。(これからも投稿します。容赦なくツッコミを入れてください
ね。)
 ここから連想したことですが、ハウツー本やマニュアルは著者が有名であればある
ほど危険だと思います。というのは、実用的な知識・教訓は本人の体験学習、又は先
輩の失敗談を想像・分析することにより「身にしみて」本人のものとなると私は考え
ているのですが、ただの知識だけの本は読み手を自己過信させるだけでその知識は応
用が効かないからです。
 「自分はレベルの高い話をしているから理解できないかもしれません。少しでも
引っかかってきたら十分です。」とあたかも自分は真理を知ったかのごとく言う方が
いますが、どのような分野も、先人の経験をそのままなぞるのではなく、改革をして
発展していくものですし、法則や理論のような知識は「現在までは否定されていな
い」に過ぎないので、私にはそのような発言は一人善がりに思えます。同じ意味で最
近話題になっているナレッジマネジメントも有効性ばかりではなく限界や短所も自覚
すべきだと思っています。
 
「知識と実感」ということで おまけ・・・今日「失敗学のすすめ」という本を買っ
て読みました。印象に残ったのが、雪印の大樹工場の事件で労働者の奥さんが労働時
間が多すぎるというシステムの欠陥を書いた手紙を載せ、失敗は一つの要因ではなく
複数の要因で起こると述べていたところです。「言い訳をしないで、一方的に自分の
責任を認めて謝る」ことを美徳とする日本人の特徴を子供の頃から疑問に思っていた
私は、思わずうなってしまいました。システムにまで分析の目を向けなければ根本は
解決しませんから。


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