ゲンゴロウさん 後藤さん akiraさん みなさん
須賀です。
各方面から壮大な問題提起?を次々といただいていますが、
仕事がたてこんでいてすぐにおこたえできません。しばらく
おまちください。
後藤さん:
> 生物学における「生命」と、文化的伝統の中で伝えられてきた「生命」
> という言葉とは異なります。須賀さんは生物学者の立場から、生物学に
> おける生物概念を固守(?)しようとしているのに対し、ゲンゴロウさ
> んは生物学の非専門家の立場で「自由に」生物という言葉を(文化的伝
> 統に沿った形で)用いています。
そうですね。僕も生物学における生物概念を固守(?)しなけりゃ
ならんと思っているわけではありませんが、こういう場面では固守
する側を演じることを(すくなくともゲンゴロウさんからは)期待され
ているのだろうと思ってそうしています。ゲンゴロウさんのおっしゃる
ことも、akiraさんのおっしゃるっことも、考え方自体は理解できます。
後藤さん:
> 集合生物と呼ぶ代わりに、人間集団という平凡な言葉では、ゲンゴロウ
> さんの意図は通じないでしょうか?あるいは、むしろ、「超生物」
> superorganism という言葉なら、生物(個体)を構成単位としながらも、
> 生物を超えた(生物とは異なる)何かを表現することができるかもしれ
> ません。
>
> ・・・ただし、岩波生物学辞典によると、↓
> 超個体 【同】超個体的個体
> 多くの社会性昆虫では,一つのコロニー全体が他の動物の個体と
> 同位になるとしたもの.今西錦司(1951)の造語.
> と、あります。
最近の社会生物学ではsuperorganismということばをこの今西の
概念とほぼ同じ意味に限定してつかいます。ミツバチやアリ、
シロアリのコロニーのように、分裂によって繁殖するコロニー
(植民地じゃありません、巣のなかの集団のこと)ですね。
後藤さん:
> 「集合生物」に変わる名称、何かいいものないでしょうか?
社会組織や社会システムというようなことばはどうでしょうか。
こういうことばの社会科学での定義は知りませんが、すくなくとも
このことばならアリの巣にも人間の社会にもあてはめることが
できると思いますし、その動態を観察・比較して特性の異同を
論じるといったこともできなくはないと思います。複雑系とも
関係がありそうですね。
須賀 丈
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