みなさん
須賀です。
葛貫さん:
> > 細かい部分まで解析し、因果関係が明確になってから、対応策を
> > 取るというのが、いわゆる科学的な方法なのでしょうけれど、すべて
> > 解明しきれるものじゃない。
広木さん:
> 分析と対応は別物ですから、科学的云々の場合じゃないですね。
おっしゃるとおりだと思います。
有明海の場合について責任をもってお話しできるだけの知識が
ありませんので、ここではあくまで一般論として、このような
場合に科学的分析と政策的対応のあいだの関係をどんなふうに
とらえたらいいかを考えてみることします。
政策的対応をとることへの責任を回避するために「科学」という
「よくわからない呪文」がでてきてしまうのはおそろしい。
「現時点では科学的因果関係が明確でない」、と科学的良心に
したがっていう研究者に政策決定の責任までおしつけることに
なっては変です。
科学的解明をないがしろにしていいとは思いません。けれども
何もかも科学がおすみつきをあたえてくれるかのように考える
のも困りものです。生態系の神秘がすべてときあかされるまで
待っていたら何もできません。
科学的分析がもっている性質と限界、あるいはその予測の確実
性と不確実性をよくみきわめたうえで、それよりもひろい視野
から総合的な判断力をはたらかせて政策決定がなされなくては
いけないと思います。
そのためにはこのような分野の科学の位置づけについて、社会
のなかでもっと幅広い対話がなされる必要がありそうですね。
このような内容について大学の政治学や法学のコースのなかで
教育課程が組まれるぐらいになるといいのですが(すでにある
のでしょうか)。
Takeshi SUKA
Nagano Nature Conservation Research Institute (NACRI)
E-mail: suka@nacri.pref.nagano.jp
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