[BlueSky: 286] Re:279


[From] Shigeru Hoshino [Date] Wed, 04 Aug 1999 07:17:32 +0900

横山さん、陸さん,巖さん,MLのみなさん
 毎日、楽しく青空自由MLで自由な意見をROMさせてもらっています。
 星野です。    

"Kaz. Yokoyama" <kazunari@affrc.go.jp> さんは書きました:
>>★奈良県の川口由一さんは、耕さない、追肥しない、農薬を使わない、という方法で
>>農業を営んでおられます。これは、続ければ続けるだけ土地の生産性が高まるのです
>>が、最初の3年間ぐらいは収穫が少ないので今回の多田さんの授業には使えないと思
>>います。ただ上述のような「食べ物」による学習を今後も続けてゆくお気持ちがある
>>ならば、この不耕起農法はお奨めです。この方法の詳しいテクニックについては、個
>>人的にお尋ねいただければと思います。
>
>仕事上も有用な情報を有り難うございます。訪ねてみます。
>私もこういう農業のプロ(大阪では農の匠として表彰されています)を何人も知ってい
 ますが,
>彼らの研鑽は凄いものがありますね。本当の有機農法は実は手間とエネルギーがかかっ
 ています(化学農法はそれを短絡しようとしたのでしょうけど持続性に問題が有りすぎ
 ましたね)。
>>→巌さん
>追肥はしないが堆肥とかの有機の元肥はたっぷりと言う意味じゃないですか?
>時々こういう簡単な収支計算を度外視した魔法のような農法を提唱される方がいますが

>(○○菌で無肥料でも化学肥料の3倍収穫できるとか)これは明らかにオカルトの世界
>ですね。
 
 広島の方にも不耕起で畑をされている自然農法の農家がおられます(ました。)。今か
ら十数年前に、現在、愛媛大学におられる日鷹一雅助教授が、広島大学に在学中に一緒に
調査したことがあります。そのときの記憶では、まず、植物質の堆肥を畑にひいて、草が
生えれば除草をしていくことを繰り返し、作が終わっても耕さないという方法だったと思
います。それを繰り返すと、土中の雑草の種が地表に出てこないために、雑草が減ってい
く、それで除草の手間が無くなっていく。耕さないことにより畑が柔らかくなる(土壌の
貫入抵抗が減っていく)。日鷹氏は不耕起の畑は森林土壌と同じだと評価していました。
 つまり、地表の堆肥部分がA0層に役目をしているということです。
農業は、耕すことにより、1次遷移で作物を作るのが一般的ですが、不耕起農法は生態系
を生かした生き物の共働作業による2次遷移農法(持続的農法)と私も考えています。

                        広島県立農業技術センター
                       環境研究部 星野 滋
                       739-0151東広島市八本松町原6869
                       TEL 0824-29-0521
                       FAX 0824-29-0551
hoshino@arc.pref.hiroshima.jp


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