[BlueSky: 2787] Re:2782 ウンコ循環


[From] Minato Nakazawa [Date] Fri, 26 Jan 2001 11:08:47 +0900

中澤@東京大学人類生態です。

(件名:[BlueSky: 2782] Re:2779 ウンコ循環に於て)
Thu, 25 Jan 2001 13:42:13 -0500頃,Sato, Kenjiさん:
> 勿論、衛生学的な見地から言えば、人間の病原菌・ウイルス・寄生虫の
> たまごも循環してしまうので、決して良いことばかりじゃないです。日
[Bluesky: 2397]からのスレッドで紹介した永田農法で使われる液肥の
原料は,厨芥と屎尿だそうです。それを完熟させて液肥として使う限り,
寄生虫の卵の循環は防げそうな気がします。液肥製造過程で出てくる
メタンも燃料として使うと書かれていました。新潟県吉川町の山田錦
製造農家である中村さん宅に容量10立法メートルの鋼鉄のプラントが
設置されて,うまく機能しているそうです。トイレは節水型で,普通
の水洗トイレの60分の1の水しか使われないそうです。
液肥がうまく掃けるルート(売れればなお良い)さえ作れば,都市の
集合住宅の地下とかに作ってもいいかもしれません。もっとも,そう
なると,下水道の方もそれなりに対応しなくてはならないでしょうが。

プラントを設計した永田さんは,インドに6000万,中国に9000万と
いわれる人畜共用の肥溜めが病原体の温床になっている可能性を考え,
それらを液肥製造プラントに置き換えたいという夢をもっているそうです。

> 日本では人間が死んだら燃やしてしまうので、他の生物の餌にはならな
> いですが、アメリカでは燃やさずにそのまま埋める人が多いので、微生
> 物やミミズのいい餌になっているかもしれない。
そうですね。昨年亡くなった理論生物学者のウィリアム・ハミルトンは,
死後はブラジルの森に遺体を置いて,ダイコクコガネに食べられたいと
書き遺していました(マラリアで急逝したので実現しませんでしたが)。
燃やすと灰と骨と二酸化炭素,もし不完全燃焼だったら一酸化炭素や,
硫化水素とか,ともかくエネルギー的には無駄になってしまいますが
(火葬場で発電でもすれば別です),昆虫や微生物やミミズに食べ
られる方がバイオマスを増やすことに貢献するのでなんとなく気分が
いいと思います。いまの日本では無理でしょうけど。

=====
Minato Nakazawa, Ph.D. <minato@sv3.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Department of Human Ecology, Univ. Tokyo
[WEB] http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/~minato/index-j.htm


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。