細谷＠ドイツです。
随分前に，ドイツの兵役の拒否者が兵役に就く代わりに福祉労働を行う義務について
の話題があったと思いますが，それに関係する発言がdeutschland MLにありました。
発言者の許可を得ましたので転載いたします。
前の発言者の引用部分等は省略して変えさせていただいています。
--------------転載ここから-------------
>小中学校の教員免許を取得するには、高校卒業の後に７日間の介護体験を必要とす
る」ことについて
教員資
格取得に際して、福祉現場での経験が考慮されるようになったのは
知りませんでした。ただ、７日というのはあまりにも短すぎると思
いますが。
>ドイツの兵役拒否者(zivildienstleistende）の福祉労働従事義務は
>良いアイデアか
唯でさえ専門性を軽視し、現場の労働者の「良心」を巧みにつかう
傾向にある福祉の現場に、今「奉仕義務」の若者が参入すれば、混
乱は逃れられないだろうと思います。しかし、義務化には私は反対
ではありません。乏しい経験からですが、また、日本の若者の実状
には疎いのですが、ドイツの若者も義務でなければこんな仕事はし
ないでしょう。海外援助隊、天災救助、などの、いってみれば華々
しい「かっこいい」部署にＺＩＶＩ応募は集中し、老人介護・障害
者介護ではＺＩＶＩ獲得が年々難しくなってきているのが実状で
す。
私は昨年９月まで独・赤十字に勤めておりまして、訪問看護現場で
のＺＩＶＩ（ｚｉｖｉｌｄｉｅｎｓｔｌ
ｅｉｓｔｅｎｄｅ）の管理もしていました。うちには当時１４、５
名のＺＩＶＩがおり、楽しかったのですが、しかし、はっきりいっ
て全く気が休まりませんでした。土・日もトラブルの連続。遅刻す
る、それはまだいいほうで、仕事に来ない、理由を聞くと「こんな
しごとやってられない」。訪問看護の家政サービスや簡単な介護を
やってもらうんですが、前日のアルコールが残っていて車の事故を
おこす、目玉焼きの作り方も掃除機のスイッチのいれかたもしらな
い。「二日酔いでしんどい」といって、１時間掃除をせずにテレビ
を見てかえっていった、という利用者からの苦情など。始めの一月
は実習と講習、３か月目にやっと一人で動けると思ったらそのうち
に休暇を６週間。休暇中にスポーツをしすぎて骨折や脱臼をする、
それがなおったら、就職面接で休みをとる、そうしているうちに、
一年はあっという間にたってしまいます。就労日数とサポートを考
えると、ＺＩＶＩはやすい労働力、という一般観念は全くの偽りと
いう気がします。一年たって、言葉付きもちょっとかわって「お世
話になりました」といって去っていくＺＩＶＩをみると、ドイツの
未来もあかるいぞ、と思ったことも何度もありましたが、なかに
は、最後までトラブル続き、というＺＩＶＩもいました。患者の死
や、癌やアルコール患者の介護に精神的に参ってしまう者も少なく
なく、現場での技術的・精神的サポートの必要性をつとに感じまし
た。
ドイツのＺＩＶＩは、昨年のはなしですが、受入先と国とが報酬、
小遣いなどを支給します。訪問看護の場合、うる覚えですが、一人
月１３００ＤＭもらえていた記憶があります。ＺＩＶＩは法律でもそ
の受入先での仕事内容、意義などが法定化されているのでほぼ問題
はないのですが、ＦＳＪの場合にはそれがまだ確立しておらず、い
わゆるMaedchen ｆｕｅｒ ａｌｌｅｓ 的存在になってしまってい
る場合もなきにしもあらずです。ただ、ＦＳＪのほうが、各種セミ
ナー参加の義務化など、ＺＩＶＩにない特典はあるようです。
>メディア報道ではうまくいっている事例と、失敗事例が伝えられています。
そうですか。私は、日本ではいわゆる「いい面」の報道しか見ませ
んでした。「そんなはずはなかろう」とはおもいながら。子どもた
ち、というのは、何歳ぐらいからなんでしょう？
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尚，報酬についてはうろ覚えで書いたそうですが，その他質問が在れば受け付けてく
れるそうです。
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Teruyo Hosoya(Kobayashi)
E-mail :hosoya@kddnet.de
ドイツの古城: http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/7808/
リレー小説: http://stieglitz.hoops.ne.jp/
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