[BlueSky: 2769] (転載)ブラックバス討論会


[From] "SUKA, Takeshi" [Date] Mon, 22 Jan 2001 12:37:29 +0900

青空MLのみなさん

   須賀です。

生態学メーリングリスト(jeconet)に下記の公開討論会の案内が流れて
いました。発信者の許可をいただきましたので転載します。青空MLでも
以前ブラックバスが話題になりました。この公開討論会は、ブラックバス
の駆除を訴える「生物多様性研究会」と利用・擁護をすすめようと運動
している「日本釣振興会」が直接討論をおこなうという点で注目すべき
ものではないかと思います。もし参加される方がいらっしゃいましたら、
ご意見、感想などをおよせいただけたらうれしいです。

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ブラックバス問題に関する「公開討論」のご案内

生物多様性研究会/代表・秋月岩魚
事務局・東京都保谷市本町2-12-3(石塚方)

 大正時代に芦ノ湖に導入、1970年代のルアーブームから急激に拡大を続けてき
た北米原産のブラックバスは、釣り産業にとって期待の有益魚となる一方、各地
の水系で在来生物や水産対象魚を食害するなど甚大な影響を与え、今日にいたっ
ているのはごぞんじのとおりです。
 最近は生物多様性の観点から移入生物問題のシンポジウムが各地で開かれ、研
究者の間では「ブラックバスは同じ北米原産のブルーギルとともに、もっとも対
策を急がなくてはならないエイリアン」と位置づけられています。

 バス問題が、他の移入生物の問題に比べて特異なのは、それを積極的に利用し
続けたいという人たち(釣り人、釣り業界関係者)が根強くいることです。私た
ち生物多様性研究会は、娯楽的・経済的有用性やニーズはどうあれ、生態系保護
の視点に立てば、ブラックバスは日本の水辺から駆除していくべき移入種であり
、これからのバス釣りは、その共通理念の上でしか存在し得ないと考え、シンポ
ジウムを含むさまざまな活動を通じて提言をおこなってきました。
 こうした主張に対し、バスを利用、あるいは擁護したい個人や団体は独自の自
然観やバス有効利用論を掲げ、たとえば「公認バス釣り場増設百万人署名運動」
などを展開しています。
 マスコミ報道などにおいては、両者は反対派、擁護派というような対立図式に
置かれ、断片的に声や主張が汲み上げられてきましたが、じつはこれまで、双方
が意見を直接交える機会はほとんどありませんでした。
 一方、水辺の生態系はますます悪化、密放流摘発事件に端を発し少年が警察へ
脅迫メールを送るような社会問題も起こり、ブラックバスをどうするのかという
声は社会からも日増しに強まっております。

 生物多様性研究会は、上記百万人署名運動を主導する財団法人・日本釣振興会
を、ブラックバス問題に関して最大の対策責任を持つ業界団体であると位置づけ
、公開討論を申し入れました。先ごろ了承を得て、両者協議の結果、別紙の内容
のような討論会を開催する運びとなりましたのでご案内させていただきます。
 コーディネーターについては、当初、先方から中立的な意見の学識経験者を立
てたいという希望が出ておりましたが、適任者不在で、結果的に双方から1名ず
つ推挙する2名制をとりました(日釣振=天野礼子氏、生多研=瀬能宏氏)。
 パネラーは生多研サイドから、秋月岩魚、かくまつとむ、中井克樹の3氏。日
釣振サイドからは、清水國明、高宮俊諦、水口憲哉の3氏が討論の席につく予定
です。

 「生物多様性」と「ゾーニング」というふたつのキーワードを骨格に、水辺の
あり方やバスとバス釣り、また、レジャーとしての釣りの今後について意見や主
張を交わす予定です。ブラックバスの取り扱いに対して考えを異にする市民団体
と業界団体が、研究者を交え公開で討論を行なう機会は、おそらく初めてのこと
です。告知・ご案内をお願いいたしますと同時に、当日、時間がございましたら
ぜひご参集ください。
 なお、この討論会やバス問題についてより詳しい情報が必要な方は、生物多様
性研究会・吉田03-3290-2066 E-mail:biodiversitey1@hotmail.com までご連絡
ください。
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Takeshi SUKA
Nagano Nature Conservation Research Institute (NACRI)
E-mail: suka@nacri.pref.nagano.jp


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