[BlueSky: 275] Re:274 自然農法について


[From] kuga@nacri.pref.nagano.jp (KUGA, Hitoshi) [Date] Tue, 3 Aug 1999 15:44:01 +0900

巖さん
               陸です。

巖@桃山学院大学さん;
>  この自然農法というやつなのですが、どうにも合点がいきません。耕さない、
> 農薬を使わない、はいいのですが、追肥しないのにどうして収量が上がるでし
> ょうか。

「追肥しない」というのは説明が必要です。
正確には、肥料としてその田畑外で人為的に作られたものを田畑に「追肥しない」と
いうことです。

 川口さんの方法では、作物を育てるときにその場に生えてくる種々の植物(いわゆ
る雑草の類)を根を残して刈り取りその場に置きます。また、収穫物も利用しない部
位はその畑に返します。それらが小さな生物たちに分解されることにより肥料分にな
ります。
 太陽の光を受けて次々に出てくる「雑草」の遺体が集積すればするほどよい「土」
になっていくので、この方法を続ければそれだけ多くの養分が田畑にたまるというこ
とになります。

 いわゆる追肥は害虫をまねくことになる、というのが川口さんの考え方です。


★日本の多くの土壌は酸性でリンが不足していました。それをどう補うかが田畑の管
理の基本的な1項目になっていて、戦後の食糧増産期には大量のリン酸肥料が投入さ
れた、という話を聞いたことがあります。川口さんもはじめは化学肥料と農薬の農業
をしていたので、自然農法に転換するときには既にリン問題は解決済みの畑だった可
能性が高いです。ですから、この方法も条件付きだということだと思います。



------------------------------
 陸  斉 (KUGA, Hitoshi)
  kuga@nacri.pref.nagano.jp  
------------------------------



▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。