[BlueSky: 2691] Re:2686 知的所有権とリサイクル


[From] "gengorou" [Date] Thu, 28 Dec 2000 01:04:21 +0900


一ノ瀬さん,今晩は,ゲンゴロウです。
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>私には、ゲンゴロウさんが、知的所有権の問題にこだわる
>理由が、今一つ把握できずにいます。

知的所有権の問題にこだわったのではないのです。
環境問題で,子どもに悪い影響を与えるソフトの規制の件で,
知的所有権の問題が出てきて,それがむずかしいことだと,
一ノ瀬さんがおっしゃったので,触れた次第です。

ただ今回,それとは別に,一ノ瀬さんがお話しして下さった
ことで,私も,少し考えたことがあり,その辺では,確かに私,
こだわり始めています。

私は,生物が苦しむ原因の一つは,急激な環境の変化であると
思っています。そして,人間という生物も環境変化によって苦しむ
存在だと思います。企業などで,いま設備や構造のリストラクチャ
リング(構造変革)が起きているのは,環境の変化に有機体のよう
に,適応変化をしているからだと思うのですが,その中で,人は,
苦しんでいると思うし,世代間の意識や知識の断絶が起きているの
も,社会,経済,技術の急激な変化のせいがあるかと思っています。

私達は,便利な物を作っていると自負していますが,そうではなく,
売れる商品を作り生き残るため,あるいは,目新しい物を手にしな
いと存在が薄れてしまうために,新しい商品が生まれ,環境を変え
て行っているように思えます。

先日,日本の科学者がノーベル賞をもらいましたが,私にすると,
なんで,環境の変化速度を速めた人間が賞をもらうのかと,ちょっ
と,首を傾げてしまいます。極端な事を言うと,21世紀の中頃に
は,環境の変化速度を速めた者は「罰」が下される世の中になるか
もしれません。
そう,思っていたところへ,知的所有権の独占の許可のような保護
の話がでました。 で,この20世紀の社会環境を早めたのは,この
エジソン以来?の知的所有権の存在が文明を加速させたのではない
かと思いました。なので,わたしにすると,この知的所有権の在り
方,あるいは,その根本の考え方を問い直すことで,もしかすると,
環境変化速度の減速ができるのではないかと思ってしまいます。
さもなければ,新しい技術に環境が急激に変えられるなら,その環
境の変化速度を減速する為の発明・発見に,知的所有権の権利の特
権などを与えるというように,この知的所有権の微妙な調整政策が,
もしかすると,環境変化の速度のアクセルとプレーキになるのでは
ないかと思いました。つまりパターン化が必要になるようです。

ただ私は私なりに,「環境保護とは環境変化速度の調整ではないか」
という,私の先入観があるので,このような考えを持っていると思い
ます。

あと,一ノ瀬さんが,
「ソフトは使用しても再販可能である”かもしれませんが、古くなる
 ほどソフトの価値は低下して、中古値段はどんどん下がって行きます。
 ”鮮度”があって、放って置くと腐って行く、と言っても良いかも知
 れません。
とおっしゃってますが,
ソフトに限らず,新技術もその鮮度が低下する原因は,太古の昔から
刻々と時間を流している物質的な変化との相対時間によってではなく,
環境の変化との相対性によってです。鮮度が落ちるのは,私達が生んだ
私達の物が起こすものではないでしょうか。
つまり,こうなります。
「なんとかならないのか,この有害ソフトは?!
  せめて,再販での安売りをなんとかしろ!!」
「どうも,知的所有権の関係で再販は防げないようです」
「なんで?」
「時間がたてば,ソフトも鮮度が落ちるから,他の知的所有権と
                    同じ扱いになるそうです」
「じゃあ,そのソフトの鮮度を落としている仕組みを止めろ!」
「え?あの,,それも,知的所有権が関係していて・・・・」

私が,知的所有権にこだわり始めたのは,この辺にありそうです。
そして,以上,私が考えたことは,一ノ瀬さんの発言があったことだから
だということを,伝えます。私は,私なりに反応をしました。

−−−−−−−−−
【一ノ瀬さん】

> 一方、ニンジンは、食べれば確かに失われますが、食べるのではなく、大量に仕入れて、そ
>の一部を転売したり、或いは家庭の主婦が大安売りで沢山買い込んできて、余りを近所にお
>裾分けする場合もあるかも知れません。このどちらの場合も「中古物には知的所有権は及ば
>ない」ことになっていないと、特許使用料等を支払わねばなりません。この場合は、”食べると
>ウンコになる”というニンジンの性質は、関係してきません。

これは,使用価値を持つニンジンを少しもカジッっていないから
だと思います。つまり,この場合のニンジンの価値は,その物
(ニンジン)の持つ使用価値ではなく,流通させて儲けようと
する流通価値という物で,知的所有権が対象としている使用価値
ではないからだと思います。つまり,もし,知的所有権に流通を
取り入れてしまったら,CDなど小売店は買った時点で売ること
が出来なくなります。カジッってしまうと使用価値が減ってしま
うニンジンと,カジッても減らないデータでは,その質がまった
く違うと思います。ただし,これも素人考えの話です。

> そうではなくて、要は発明者や著作権者の保護が目的であるのだから、どこかで1回、確実
>に利益が上げられるようにしておけばいい、と割り切ることもできます。最初の販売の段階で
>特許使用料を徴収する事に決めてあとは自由、としておけば、それで大きな問題は生じない
>ように思われます。それで不足と思うのならば、ビジネス用ソフトの例の様に、企業が自主的
>に購入者との間で契約を結ぶことにして、補完すればよいわけです。
>
> 以上は、#2681でゲンゴロウさんが指摘した内容の一部にしか答えられていません。
> 残りは宿題とさせて下さい。

すいません。おかげさまで,いろいろと新しいことを考えることが
できました。

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ゲンゴロウ。。。。





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