[BlueSky: 2681] Re:2674 知的所有権とリサイクル


[From] "gengorou" [Date] Mon, 25 Dec 2000 20:46:44 +0900

一ノ瀬さんへ,ゲンゴロウです。
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【ゲンゴロウ#2670】
>現行の考え方がどうであろうと,過去の判例が,どうであろうと,考え
>直す事があるのなら,考え直すべきだと思います。

【一ノ瀬】
>これは仰る通りですが、私が#2644で紹介した”用尽”概念は、当然な
>がら、私が自分自身の頭でさんざん考えて納得したからこそ、紹介したも
>のであることも、考慮に入れて下さい。

わかりました。

> その経験から言えることは、知的所有権の話はそれ自体がかなり複雑で
>大きな内容であり、環境問題のMLであまり深入りするのは避けた方がよ
>いということです。専門家が議論した末の結論を、とりあえず受け入れて
>おいて、間違いはないと思います。

そうですか。これを言っていただいて,私も気が付けたのですが,
知的所有権の専門家は,それ以外の専門家の意見も聞くべきですね。
この「知的所有権の話は環境問題のMLでは深入りするのは避けた方が」と
いう部分に,私は納得できなかったようです。
私にすると「なんで?」と,なります。
一ノ瀬さんの考えの中には,「環境問題」,「環境」について,
一ノ瀬さんなりの捉え方があるようで,そこが私と違っている
ようです。長くなるので詳細は別便「環境問題」にしますが,
その趣旨は「環境問題は多くの問題をはらんでいるので,多くの
分野の知識を結集しないと,存在自体に自己矛盾を起こす事柄で
ある。」です。

知識を借りるという意味では,一ノ瀬さんの存在とお考えは大変
に貴重だと心から思います。ですが,その一ノ瀬さんが,
「環境を考える上で出てきた事柄に,それは環境MLで考えても」
と言ってしまうと,大変にまずいと私は思います。つまり,
一ノ瀬さんの意見が貴重で専門的な意見だけに,そのあとに同梱
され続けた「環境MLでは深入りは・・・」までも,説得力を持
っていて,影響力が有り過ぎて,私としては,黙認できませんで
した。

> ただ、知的所有権の根本は、理解しておく必要があります。

私,こうして発言しながら,「自分は偏屈なのか・・」と,嫌になり
ますが,この根本というのが,またどうも,私には気になります。
なので,「今のところの根本は」と,捉えさせていただきます。
なんでもそうですが,その根本が違っていたら,とんでもないこと
ですので。

> 人類が生み出した、技術、芸術等の進歩の果実は、本来人類全体の財産
> であって、一部の人間が独占して良いものではありません。

これは,とても深いですね。いつか聞いたことがあったように思います。
が,しかし,今の私の念頭には,まったくありませんでした。
お聞きして考えるに,なるほど,ある技術の発明や開発は,過去の人類の
恩恵の上にあるという意味で,全人類のものだと思います。ただ,二点の
ことが気になります。

まず,
一般には,この根本の大切な考え方はあまり知られていないこと。その上で,
私達は,知的所有権の保護という言葉を,知的所有権の独占の保護とは,
まったく理解していないこと。もし,このことが根本であるなら,それは深
いこととか,専門的なことではなく,基本的,初歩的で,とても重要な事柄
ではないでしょうか。すなわちこの考え方をもってすると,人類全体の財産
であるのなら,その所有権の独占が保護されている物が有害であったら,
「独占の保護など考えなくて良い」ことになり,私達が,あるいは専門家が
「子どもの脳に有害である」と判断なり決定すれば,その物に関して再販は
許さじ!と,決定できるし,そしてそれが,有害ソフトを作るソフト自体の
保護に繋がるとわかったらなら,知的所有権もなんのその,その製作をスト
ップできる考え方になるのでは?ないでしょうか。

もう一点は,
「人類が生みだした」の部分です。一人間や企業から人類全体に及ぶなら,
全生物にまで発展しそうな気がします。これは,いつもこのMLで,問題の
後ろに見隠れしている考え方だと思います。生物の多様性の重要性とか,
人類以外の生物の存在の重要性などの考え方にも発展しそうです。
技術さえも人類だけの物と考えてはならなくなるように思います。
一ノ瀬さんの紹介してくれた,一ノ瀬さんのお考えも含んだ,知的所有権の
根本は,環境的に考えると,「人類が生み出した、技術、芸術等の進歩の果
実は、本来人類全体の財産であって、「地球上の生物の」一部である人間が
独占して良いものではありません。」と,したくてたまらなくなります。

ところで,こう考えてみると,私にするとですが,この知的所有権の考え方
は,道徳でも倫理でもなく,やはり今までの発展経済思考的な考えが,その
元にあるように思えてなりません。

「「「知的所有権の独占」を保護」を保護するため」の頑強な三重の保護を
目的にした美辞麗句に思えてなりません。
つまり,知的財産にあることを言うと,「それは発明者の権利の保護である」
といい,その逆のことに話が及ぶと,「実は人類の為である」では,誰も,
この知的財産権に触れることが言えなくなってしまうことが,巧みに作られて
いるように思えてなりません。知的財産の保護を隠れ蓑にするための,万全の
理屈を知的財産を考える人たちが,その論争の中で作り出しているように思い
ます。

被害妄想的に考えると,知的所有権と表現の自由などが,まだまだグチャグ
チャなために,この日本社会がグチャグチャなのかもしれません。
物事をむずかしくしてグチャグチャに解けないようにして,誰も口が挟めな
いようにして,利益にありつこうとする方法は,よく子どもが使う巧みな
ケムマキ混乱作戦と同じではないかと,思ってしまいます。

> 故に、発明者や著作権者に一定の独占権を付与する、特許権や著作権と
>いうのは、この大原則に対する例外規定なのです。そして、例外規定を設
>けるのは、それによって、発明者や著作権者を保護することが目的です。

一ノ瀬さんが教えてくれたことで,私,この知的所有権には,ちょっと,
という考えが生まれてきました。私としては,アイデアを出したことなど,
知的所有権を獲得したかったのですが,どうも私の考えは,全人類の為の,
いや,全生物の為のもの・・・・。そう私が言ってしまうと,私は
どんな有害情報も垂れ流しできる理論武器が出来る。うれしいような,
わるいような,もったいないような。。。(誇大妄想)

> #2670のゲンゴロウさんの指摘ですが、こういう原則を頭に置いて、も
>う一度見直していただきたいと思います。

はい。

> 使用しても減耗しないものに対してのみ、無制限の知的所有権を認める
>ことの正当性は、一体どこから出てくるのでしょうか?

私の意見は,いくつかある知的所有権を,同じように扱うことへの疑問で
とどめていて,脳が食べても減らない「無体物」に「無制限の知的所有権を
認めよう」ではないです。私,言ってませんでしょ?
こういう場合,私は「私の言ってない事への質問は答えられません」と
いいます。でも実は私もそれをやっていて,佐川さんが言ってないことを
聞いて,佐川さんを変に混乱させてしまいました。で#2667で,お詫びし
ました。

そうそう,これも言っておきたい。私の言いたいことは,ほとんど本当は
自分自身に言い聞かせたいことなのですが,
ビジネスや政策では目標達成のために,最善の方法より,とりあえずの
方法を取らざるをえないです。たてえば,売れる商品を作らなければいけ
ない時とか,堤防が崩れてしまった時とか,とにかく事を急ぎます。でも,
もし考えるゆとりが許されている物事なら,あるいは,とりあえずでは,
まずい場合には,ゆっくりと考えなければいけないのではと思ってます。
なので,おかしいことがあったとき,その代替えの考えがなくても,
おかしいぞ,でとどめることが大切ではないかと。
じゃあーどうするんだ!という意見に追われると,愚かなことに先走って
しまう。おかしいことは,まず,おかしいのはどこだろうかと,考えても,
いいと思います。
私は,そうしたい!!!!
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genngorou























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