[BlueSky: 2680] Re:2646 贅沢は素敵だ! ?


[From] HIROKI Masato [Date] Mon, 25 Dec 2000 20:23:47 +0900

akiraさん、みなさん

広木@ICUです。
週末留守にしたら、話が拡がってて、
どこからレスしたらいいのか..

> 研究室の所属まで明記している以上、上の発言は加藤研究室に
> 属する科学者広木眞達としての公的な発言なのでしょう。

「匿名じゃない」ってぐらいですが(^^;

> 広木さんにとっては、この「贅沢は素敵だ」というデパートのキャッチ・
> コピーのような言葉が、UNIVERSAL REALITYなんでしょうか。

人間に限らず、生き物すべてに関して、
成り立つ普遍的事実であると考えます。
程度問題の制限要因に関しては、もうお話出てますが。
で、これを突き詰めて行けば問題対策実行の
障害が見えてくると考えています。
で、そこを突っ込むプロパガンダは何がいいか?
残念ながら一番そこが難しいかと。

> 浪費できるほど資源を集めに集めて、ついにそれを本源的蓄積として
> 資本主義を成立させたのが、大英帝国です。

そこまでいわなくても、太古の昔から、
各集落で行われてきたことでは?
程度問題はなしにして。

> 彼らはその資源をどこからかき集めてきたのでしょうか?
> それを奪われた人達はどうなったのでしょうか?
> 誰かが浪費できるほど資源をかき集めれば、当然、その資源を奪われた
> 者が困窮にあえいでいる。これは「無から有は産み出せない」という
> 普遍的な事実です。

これもまた事実です。
これに関しては、澤口さん(2649)のが的確なお返事かと。

> 一方、どんなに資源を集めても、それを浪費し続けるためには常に集め
> 続けなければなりません。そして、際限なく浪費された資源は最終的には廃物と
> して、環境世界に際限なく蓄積されます。これは、エントロピーの法則という
> 普遍的な事実です。
> このような普遍的な事実を前提にして初めて、環境問題を科学的に考える
> 事が可能になると思うのですが・・・

おっしゃる通りです。
問題は、個人間の利益の対立に帰結すると思います。
そこで、「公共」とは何か、につながるわけですよね。

> 「贅沢は素敵だ」という思想や価値観、生活様式は、生命の歴史に照らせば、
> 限られた時代の限られた集団においてだけ通用する、極めて特殊なものです。

上記の理由で、この考え方は支持しません。
「贅沢できる/できない」は問題にしていません。

> ところで、加藤研究室では何を専攻しているのですか?
> まさか、生態学ではないでしょうね (^_^;)

その「まさか」です。すいません。
といっても、「行動生態学」だから、けっこう特殊ですが。
さらに、行動生態学、社会生物学の知見を
社会学はどんどん応用すべきだ、
とも思っています。
だって行動学の理論にはもともとは
社会学/経済学っていうのが多いですから。

ちなみに、東大海洋研の松田裕之氏の一連の著作
(『「共生」とは何か(現代書館)』、
『環境生態学序説(共立出版)』)などは、
生態学の観点からいかに環境問題を捕らえるか、に関して、
非常に示唆に溢れる本です。
松田さんのサイトは、
http://www2.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/
です。

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広木眞達(HIROKI, Masato)
国際基督教大学生物学教室加藤研究室
〒181-8585 三鷹市大沢3-10-2
TEL 0422-33-3269 (加藤研究室)
email address:hiroki@icu.ac.jp
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