[BlueSky: 2628] Re:2627 河川行政の転換


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Wed, 20 Dec 2000 18:06:36 +0900

葛貫です。

鈴木さんwrote:
> いきなり「はんらんすることを前提に」といわれても、川ぎりぎりに作られた新興住
> 宅地に住んでいる人たち(「はんらんしないことを前提に」そこに住むようになった
> 人たち)にとっては、「なにゆうてまんねん」と言いたくなるのではないでしょう
> か。
> 以前から川のそばに住んでいて、あふれるのが当たり前と考えてその対策を講じてき
> た歴史・伝統がある地域の人々ならともかく、洪水がおきるとは予想だにしない人々
> と彼らが住むところ(都市部にはそういったところがたくさんあると思います)で
> は、結構問題になりそうです。

意地の悪い言い方ですが、「はんらんしない」という前提はどのような資料
から、誰が判断するのだろう、購入する方もどのくらい納得して、そこに住
むようになるんだろう、と思います。

私の場合、実家も、嫁ぎ先も「以前からその土地に住んでいて、川があふ
れるのが当たり前と考えてきた」家で、新興住宅地として開発される以前の
状態を知っているので、「よく、あんなところに建てるのを許可したよな。」
と思うことがしばしばあります。河川の近くではなくても、もと沼だったところ、
地盤がまだ落ち着いていない田んぼ等々、数年で、家が傾いてしまいます。
この場合、責任は、計画した人、許可した人、施行した人、仲介した人、
購入した人、誰にあることになるのかな、と思います。

楽しみに読ませて戴いているYossieさんの「いきもののはなし」というMMの
No.069<治水のはなし>に河川行政に関する考察が書かれていたことが
あり、こういう考え方もあるのか、と思いました。
Yossieさんのサイト http://www1.plala.or.jp/yossie/ に「いきもののはなし」
のバックナンバーがアップされていると思います。

> 来年から急にというわけには行かないでしょうが、林野庁や環境庁とも連携をとっ
> て、水源から河口までの総合的な治水というのが現実化できることを期待したいもの
> です。
> →そのためには「縦割り行政」の転換も必要でしょうが(^_^;)

北海道では、「縦割り」を越えたチームで、河畔環境の再生に関する研究が
行われているようです。(農業試験場は農地からの土砂流出の実態とその
対策の研究,林業試験場は河畔林の緩衝機能と造成法の研究、水産ふ化
場は河畔林の土地利用が水生生物に及ぼす影響の評価、等。)周辺地域の
開発や治水等に調査・研究の成果が反映されるといいな、と思いながら報告
書の抄録を作成しました。
#著作権がJICST(日本科学技術振興事業団・科学技術情報事業部)に
#あるので、詳しいことを書けなくて、ごめんなさい。

「北海道では、昔から住んでいたアイヌは、河床が浅くて水がでると年中河床
が移動する河を「ベツ」、河床が深くて、洪水がでても河床が絶対移動しない
河を「ナイ」、飲める流れを「ワッカ」、鉄とか硫黄とかを含んだ飲めない流れ
を「ベ」という言葉で表現してきた。「稚内」は飲んでいい水が、絶対あばれな
い河床をいつも同じように流れている河のこと・・」と、倉本聰さんの「ニングル」
(理論社)という本に書かれていました。「科学」だけを振りかざすのではなく、
自然と共に生きてきた人達の智慧も上手にいかせたらいいな、と思いました。

「首都圏は通勤30分、公園5倍に 50年後の改造計画 」という記事が朝日
新聞のサイトにありました。http://www.asahi.com/1219/news/politics19018.html
*******
国土庁の大都市改造に関する委員会(委員長・伊藤滋慶応大学教授)は19日、
2050年を目標とした東京圏と京阪神圏の改造(リノベーション)計画をまとめた。
大幅な人口減少で土地・住宅事情にゆとりが出て職住近接といった変化が起き、
情報技術(IT)革命の進展もあって「質の高い生活」を実現できると予測。
・・中略・・
東京圏は東京都心部、横浜などの環状拠点都市部など5つの圏域に再編。
それぞれの圏内での通勤時間は平均30分程度に、1人当たりの都市公園面積
を現在の4平方メートルから20平方メートルに増やす、などと指標を定めた。
・・後略・・
********
この50年間、できるだけ計画的に無駄な破壊をせずに済ませられるといいですね。
土建屋さんが、どうでるか・・・・・。

では。




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