[BlueSky: 259] Re:254 社会の巨大化と個人責任


[From] Ken Goto [Date] Mon, 02 Aug 1999 18:50:32 +0900

和尚さん、青空MLの皆さん,
                   後藤@帯畜大です。

和尚【254】:
> 和尚モードの横山@農環研です。
>
> At 2:45 PM 99.8.2, Ken Goto wrote:
> > いわんとしていらっしゃることは分かる気がするのですが、社会的構造という
> > 「形式」自体は複雑系ではないと思いますよ。
>
> この社会的構造という形式自体も,他の社会構造や形式が包含する構成者と動的に
> 相互作用すると考えますから一種の複雑系だと認識しています。
そうかもしれませんね。
ただ、社会的ネットワークの形式(方程式でいうと、変数間の関係)が定まらな
いと、変数間の関係の「強弱」そのものも規定できないことになり、、、複雑系
は予測できないのはもちろんのこと、結局、複雑系そのものを人間は記述できな
いのだ、ということになるように思いますが、これでよろしいですか?

> > 「知」の発見自体が、とても重い、ということですね。
> > 僕自身は、個人の世界像に貢献する「知」の、プラスとしての側面を重視した議
> > 論をしていたように思います。
>
> そうです。科学者の仕事はそれだけ重い。
> そして,プラスの側面を重視することは当然真っ当な科学者の態度でしょう。
> 残念ながら,真っ当だけでは済まなくなっているのが現実と言う名の狂気です。
> そんなの知らないではなくて,科学者も認識しておいて欲しいというのが私の
> 真意です。
了解です。

> 土壌微生物の世界では結構怪しい輩が蠢いています。そう言うのが,大学や公的機関
> の名前であこぎな商売を企むことありますよ。電話掛かってきて,話を聞いただけで
> ○○先生推薦とか書かれたり。研究予算を餌に,効果が有ったという論文を書かせよ
> うとする,その仕事を学生の卒論のテーマにするなんて話,良く聞きませんか?
はい。ここはとてもよく分かります。
土壌微生物の世界であればこその、和尚のお話で、とても迫力あります。

ただ僕のリズムの世界(少なくとも僕自身が行おうとしている研究課題)は、や
はり脳天気な世界なので、脳天気な切り口で話を進めてきました。が、遺伝子工
学の時代ですから、今後どのような形で利用されることになるのか、、、考える
と恐ろしいものがある「はず」です。

・・・こうなると、遺伝子工学的手法自体を撲滅してくれると僕の心は安泰にな
りますが。

難しい問題です。

> > 今振り返っても、高校までの教育で「科学教育」が行われているようなこ
> > とはない、というのが和尚さんに対する反例なのです。
>
> 問題学生を科学者にするには科学教育は不要と言うことですかねぇ。
>
> これは冗談ですが,真面目に,教育で研究者(或いは科学者)を作ることは出来ない
> のではないかと考えるに至っています。いろいろの学生とも付き合いましたが,
> 研究者は生まれながらに研究者(科学者どうかは別にして)ですね。
> 嘗て,名仏師が「仏様は木の中に既におわすゆえ,木の中の仏様をそ〜っと取り出す
> ように彫る。間違っても自分で仏様を形作ろうなどと考えない」と言っていたのを
> 聞いたことが有ります。

ここはまさにその通りなのでしょう。このあたりのことは、小学生でも漠然とし
た直感で分かっている節があります。仏様はこころのなかにいる、とある少女が
語ったのを聞いて感動したことがあるのです。

> 研究者の教育で最良は,邪魔をしないことではないかと反省を込めて日々思っています。
Mさん、僕邪魔しちゃってたら、ごめんなさい。

> > 「ちっぽけさ」を引き合いに出したのは、現代人における利己的振る舞いの強化
> > の原因としてであり、また、「貧しさ」の進行を表現するためでも合ったからで
> > す。現代人のストレスの大きな原因であろう、と僕は考えているのです。
>
> 一連の議論で後藤さんの問題意識に共鳴できるようになりました。
恐れ入ります。

> > 帯広のような寒冷なところでも(冬場のことですが)、生ゴミは肥料になるでしょ
> > うか?初歩的な質問ですみません。
>
> 冬場は植物だって休眠してるでしょう。肥料は必要ない。
それはそうなんですが。

> 春になって微生物が活動し出すと,微生物が肥料に変えてくれます。
> もっとも時間は掛かりますよ・・・寒いですからね。
帯広はとうてい筑波の比ではない、かと恐れているのです。

> あるいは,処理できる量だけ消費するようにしたらどうですか?
はい、ごもっともです。脂汗かきました。

> > ・・・肥料になったとしても、冬場は氷で覆い尽くされるので埋めようにも埋め
> > られないと思いますが。
>
> 土が凍結する前に冬分の大きさの穴を掘っておけば良いでしょう。
なるほど。グッドアイディアです。

> ごみも凍結しますし,腐敗させる微生物が動かなければ悪臭も出ません。
> 春になったらその上にたっぷり土を掛けてやると,腐敗臭も土が濾過してくれる
> (と言うより,有機物が微生物によって分解されている臭いを土の臭いというの
> ですが・・・)でしょう。
>
> 問題は,冬場に酔っぱらってその穴に落ちて自分と隣人を凍結生ゴミにしない
> 工夫をすることです(寒う)。
う〜ん、、、墓穴を掘るな、ということですね。
帯広の雪を考えると相当に広く、深い穴を掘る必要がありますが、今秋には試し
てみようか、と意欲が湧いてきました。

> > 心理的ストレスは一つもかかりませんからね。
>
> 実際,思索に耽るにはもってこいです。適度な刺激と,一歩一歩刻む「リズム!」
> が実にお頭を回転させてくれますね。
> 足の筋肉の収縮が血液を心臓に押し上げるので。血の巡りも善くなるそうです。
>
> もっとも私のような小人は皆様ご存じの不善なことしか考えてませんが・・・・
京都の「哲学の道」ならぬ、「和尚、筑波の道」という噂がたっているのではな
いですか?悪さは禁物です。

後藤 健
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帯畜大 生物リズム学 Phone (& Fax): 0155-49-5612

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