[BlueSky: 2575] Re:2573 価値と価格( was マイナスイオン・・


[From] Kimio OTSUKA [Date] Mon, 11 Dec 2000 14:04:15 +0900

大塚です

 ますます脱線していきますが。

 ものの値段の形成っておもしろいですよね。

 売る側は、高いほどたくさん売りたくなる(供給が増える)
 買う側は、高いほど買う気がなくなる(需要が減る)

のバランスで市場価格が決まる、と言うことになっているのですが、
「ナシで済ますわけには行かないもの」とか、「高いとありがたみが増
すような気がする」といった心理の影響の存在が話をややこしく(おも
しろく)しているのですね。

 医薬品や健康関連の商品はプラセボ効果が絡んでくるので大変です。
「小さくて」、「高価な」偽薬ほどプラセボ効果は大きいそうですので、
怪しい健康グッズでぼろ儲けしようという試みが後を絶たないわけです
ね。

 ついでに。でんぷんか何かで「ガンに効く丸薬」を作って売ると犯罪
ですが、宗教法人が「ガンに効くお札」を売ると「公益事業」となって
無税になるというのも、効き目のメカニズムは同じなのになんだか不思
議ですね。

 「ガンに効く丸薬」も「ガンに効くお札」もプラセボ効果の分だけは
効き目があるとも言えるのですが、「環境にやさしい」はプラセボ効果
で温暖化が防げたり生物多様性が守られたりするわけではないので、や
はり乗せられる前にちゃんと考えて判断しなくてはならないと思います。
 (と、ここで環境問題にもどす)

大塚公雄
東京医科歯科大学


おまけ

岩波生物学辞典(第4版 CD-ROM)より
プラシーボ[placebo]【同】プラセボ,偽薬
臨床医薬の効果検定の際に対照として投与される,薬理学的にはまった
く無効,もしくはやや似た薬効をもつ物質.薬剤投与の心理的な効果を
排除する目的で用いられる.薬剤投与のもたらす暗示効果(プラシーボ効
果)の影響が大きいことが判明して以来,医薬の人体投与検定には,試検
者と被検者双方に薬剤と対照としての偽薬の区別を知らせずに投与し,
第三者の判定者だけがそれを知る二重盲検法(ダブルブラインドテスト
double blind test)が採用されている


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