[BlueSky: 254] Re:253 社会の巨大化と個人責任


[From] kazunari@niaes.affrc.go.jp (Kaz. Yokoyama) [Date] Mon, 2 Aug 1999 17:02:08 +0900 (JST)

後藤さん,MLの皆さん,

和尚モードの横山@農環研です。

At 2:45 PM 99.8.2, Ken Goto wrote:
> いわんとしていらっしゃることは分かる気がするのですが、社会的構造という
> 「形式」自体は複雑系ではないと思いますよ。

この社会的構造という形式自体も,他の社会構造や形式が包含する構成者と動的に
相互作用すると考えますから一種の複雑系だと認識しています。

> 「知」の発見自体が、とても重い、ということですね。
> 僕自身は、個人の世界像に貢献する「知」の、プラスとしての側面を重視した議
> 論をしていたように思います。

そうです。科学者の仕事はそれだけ重い。
そして,プラスの側面を重視することは当然真っ当な科学者の態度でしょう。
残念ながら,真っ当だけでは済まなくなっているのが現実と言う名の狂気です。
そんなの知らないではなくて,科学者も認識しておいて欲しいというのが私の
真意です。

> そうすると、論文発表など、どうしたらよいのでしょうか?

自己の価値基準を信じて公表します。悪用されそうなことが発覚したら断固として
それを阻止します。眼が行き届かないで(大体無理ですが)問題が起こったときは,
結果責任を負います(ぼろくそ言われても耐える。不本意な形で公表された場合は
潔く辞表を書くも一つかな)。ただ,殆どの場合,個人では負えない責任ですから
自己の仕事が社会的にプラス面で貢献するように行動する(このMLの存在もその一つ?)のも責任の取り方かも知れません。

土壌微生物の世界では結構怪しい輩が蠢いています。そう言うのが,大学や公的機関
の名前であこぎな商売を企むことありますよ。電話掛かってきて,話を聞いただけで
○○先生推薦とか書かれたり。研究予算を餌に,効果が有ったという論文を書かせよ
うとする,その仕事を学生の卒論のテーマにするなんて話,良く聞きませんか?

> 今振り返っても、高校までの教育で「科学教育」が行われているようなこ
> とはない、というのが和尚さんに対する反例なのです。

問題学生を科学者にするには科学教育は不要と言うことですかねぇ。

これは冗談ですが,真面目に,教育で研究者(或いは科学者)を作ることは出来ない
のではないかと考えるに至っています。いろいろの学生とも付き合いましたが,
研究者は生まれながらに研究者(科学者どうかは別にして)ですね。

嘗て,名仏師が「仏様は木の中に既におわすゆえ,木の中の仏様をそ〜っと取り出す
ように彫る。間違っても自分で仏様を形作ろうなどと考えない」と言っていたのを
聞いたことが有ります。

研究者の教育で最良は,邪魔をしないことではないかと反省を込めて日々思っています。

> 「ちっぽけさ」を引き合いに出したのは、現代人における利己的振る舞いの強化
> の原因としてであり、また、「貧しさ」の進行を表現するためでも合ったからで
> す。現代人のストレスの大きな原因であろう、と僕は考えているのです。

一連の議論で後藤さんの問題意識に共鳴できるようになりました。

> 帯広のような寒冷なところでも(冬場のことですが)、生ゴミは肥料になるでしょ
> うか?初歩的な質問ですみません。

冬場は植物だって休眠してるでしょう。肥料は必要ない。
春になって微生物が活動し出すと,微生物が肥料に変えてくれます。
もっとも時間は掛かりますよ・・・寒いですからね。
あるいは,処理できる量だけ消費するようにしたらどうですか?

> ・・・肥料になったとしても、冬場は氷で覆い尽くされるので埋めようにも埋め
> られないと思いますが。

土が凍結する前に冬分の大きさの穴を掘っておけば良いでしょう。
ごみも凍結しますし,腐敗させる微生物が動かなければ悪臭も出ません。
春になったらその上にたっぷり土を掛けてやると,腐敗臭も土が濾過してくれる
(と言うより,有機物が微生物によって分解されている臭いを土の臭いというの
ですが・・・)でしょう。

問題は,冬場に酔っぱらってその穴に落ちて自分と隣人を凍結生ゴミにしない
工夫をすることです(寒う)。

> ・・・尤も、僕の場合は、雑草を育ててるだけですけど。う〜ん、「育てる」と
> は言わないですね。雑草をはびこらすだけですけど、か。

許可なく生えたる植物を「雑草」と言うのだそうです。祝福してあげればもう雑草
ではないでしょう。
それに裸地税を払わなくて済むしね(笑)!

> そろそろ、それ(和尚のようなくらしぶり)を貧乏というのはやめた方がよろし
> くないですか?

そうですね。「心豊かな」暮らしと言いましょうか(スラング?笑)。

> 心理的ストレスは一つもかかりませんからね。

実際,思索に耽るにはもってこいです。適度な刺激と,一歩一歩刻む「リズム!」
が実にお頭を回転させてくれますね。
足の筋肉の収縮が血液を心臓に押し上げるので。血の巡りも善くなるそうです。

もっとも私のような小人は皆様ご存じの不善なことしか考えてませんが・・・・

Kazunari Yokoyama
National Institute of Agro-Environmental Sciences
Kan-non dai 3-1-1, Tsukuba 305, Japan

横山和成
〒305 つくば市観音台3-1-1 農業環境技術研究所 土壌微生物生態研究室



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