[BlueSky: 2532] Re:2529 人工生命


[From] "Sato, Kenji" [Date] Wed, 29 Nov 2000 10:32:43 -0500

佐藤@みしがんです。

葛貫さんのコンピュータゲームのお話、示唆に富んでいてとてもおもしろかったで
す。
> しばらくして、息子が「僕の育てたピアンがいない」と捜し回り、
> 「点数は、個人別にセーブできるけど、A-Lifeは全員共通。
> ピアンを蹴散らかし点数を稼ぐ父・母・姉がAクリアして終わるまで、
> 育てても無駄!!」と、キチンと説明書を読んで見ていた長女が
> 説明してくれました。息子は、ビェー、ビェー泣き出し、ゲームの中の
> ピアンの世界は荒れ果て、私達が動かしているゲームのキャラクター
> が現れると、ピアン達は、そそくさと逃げ出すようになり・・・・。
まるで、今の現実世界そのままですよね。ある人たちはお金儲け(点数稼ぎ)に血眼
になり、生態系とか環境を”蹴散らかせ”て、とりあえず、現世的な欲求(画面クリ
アー)をみたそうとし、それに対して、価値観の異なる少数の人たちは自然を愛で多
様性を楽しむ(ピアン達を育てたり、雑種を作る)、そして多数派に対して意義を申
し立てるが受け入れられない。”蹴散らかし”の結果はみんなで甘受しなければなら
ない。家族の中で社会のシミュレーションをしているような・・・。確かに”ゲーム
の作者が与えた設定の中での暇潰し”にすぎないかもしれません。でも、そこから得
られる思いや教訓は、仮想空間であろうが現実世界であろうが、普遍性があるような
気がします。

みそのうさん@山梨の、仮想空間についての投稿は映画のマトリックスを思い出させ
ます。人間の頭に投影されている現実が、そもそも仮想空間にすぎないという、SF
によく使われるプロットです。トータルリコールなんていう映画もありましたが、脳
へのインプットアウトプットを正確にコントロール出来れば、現実とコンピュータで
作られた世界と区別がつかなくなるだろうと十分想像出来ます(100年後かな?)。
でも、よく分からないのは、「脳の感受性の低下」って何を意味しているのでしょう
?作られた世界(コンピュータゲームや漫画、あるいは小説)に浸りきっても、論理
的な考え方や、豊かな感受性と言われる物が減少していくとは思えないのですが。コ
ンピュータの作り出す仮想世界の子供たちへの影響が議論されていますが、もしかし
たら、小説が大衆化しだした頃の危惧と同じなのかもしれない。赤毛のアンなんかを
読んで、夢想していた少女に対する危惧と同じものが底流にあるような・・・。楽観的
すぎますかね。


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