[BlueSky: 2514] Re:2511 仮想空間


[From] misonou@mail.yamanashi.ac.jp (MISONOU Taku) [Date] Tue, 28 Nov 2000 12:06:41 +0900

みそのう@山梨です

#最近この手の話をいろいろ考えています

At 10:12 PM 00.11.27 +0900, yuichiro komiya wrote:

>子供への影響という意味では、リアルさというのはあまり関係のない
>ものなのかもしれません。要は、そのゲームなりアニメなりの世界観
>がどれだけ子供(や大人)をひきつけやすいかということで、リアルさ
>というのはその中のひとつの要素に過ぎないのかもしれませんね。

リアルであるかどうかは,入り口だけの問題に思えます.
我々の脳は,本来的に仮想現実(Virtual Reality:VR)を受け入れるようにできている
と考えています.
入ってくる情報が適当にコントロールされれば,脳は現実と虚構の区別をつけること
はできないでしょう.
この「適当なコントロール」を強力に後押しするのがVR技術だといえないでしょうか.
情報処理を行う脳とは,感覚器からの外界の情報を使って外界のモデルを作り,
そこで試行錯誤した結果を作動器を通して外界にフィードバックする存在です.
外界モデルを作るための情報が断片的なものであっても,
必要な(=必要だと思われる)情報を脳が(勝手に)補完するので
現実とモデルとの齟齬が自動修復不能なほどにならないかぎり
そのことが意識されることはないのでしょう.
飛び降りたトルコの子どもにとっては,ポケモンの世界がそのままモデルです.
しかし,この齟齬の大きさが骨折という結果を生んだわけですね.
それに対して,大人(や日本の子ども?)の脳はそれほどにリアルなモデルを作るこ
とができない,
つまりVRにそれだけ慣らされているということでしょうか.
すると,そのように感受性の低くなった脳にリアルなモデルを作らせるような情報を
生み出す技術が
さらに発展して・・・というフィードバックループができて,
先行きどのような世界になっていくのかがとても不安です.
脳の感受性の低下を越えたVR技術が開発されつづければ
本当に虚・実の区別のつかないというおぞましい世界が生まれるでしょう.
あるいは,もう生まれてきているのでしょう.
注目し続けていきたいと思います.

#BlueSky MLっぽくなくなってきちゃって失礼しました..
##でも,これって究極の環境問題かも!


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みそのう MISONOU Taku
misonou@mail.yamanasshi.ac.jp


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