[BlueSky: 2279] Re:2271 青刈り


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 29 Aug 2000 16:53:02 +0900

こんにちは、葛貫です。

中澤さん【2271】:
>それと,最初に葛貫さんが言われたとおり,
>> 青刈りするしかないのでしょうか?
>という青刈りへの疑問が「米を食べよう」という問題意識の出発点
>だということは,このままいけば稔るであろう米を無駄にしたくな
>い(せっかく昨年の農基法の改正[Bluesky:78]で自給率を向上させ
>ると謳ったばかりですし)という意味ですから,「米を特別視しな
>くてもよい」では論理がずれているように思います。

はい。筋が通っていないですね (^^;; 。
本年度の分は、兎に角として、次年度の作付け面積を決める時、
主食として日常的に小麦製品を摂る習慣が受入れられているな
ら、米にこだわらず小麦を生産すれば、自給率を下げずに、青刈
りを避けられなかな、と思いました。
#そんな単純なものじゃないのはわかっているつもりなのですが、
#一つの方向として、どうかなと・・・・。

でも、小宮さん【2269】のお米が特別扱いされる理由
・単位面積当たりから得られるカロリー量が、他の作物に比べて高い
・日本で完全に自給できている穀物は米だけ
を読み、日本の気候、今で蓄積されてきた知識・技術を考えると、
やはり、米作を大切にすることが、自給率向上に一番なのかとも思え
ます。

遺伝子操作関係の事業から撤退する企業が増えているという記事が
朝日新聞http://www.asahi.com/home.html#top
http://www.asahi.com/0827/news/business27002.html
にありました。

中澤さんの仰しゃるような米の加工法の開発、定着の方向へ、人材や
資金が注ぎ込まれるようになるといいのですが・・・・・。

佐藤さん【2270】:
>  そうなんですよね。豊作になると貧乏する・・・。だから、大量の野菜や果物を
>今までどれだけ捨ててきたか。新聞等には余り載らないけど、豊作時の野菜の処理
>は、農家も困るんですよ。利益の逓減効果とか言う、大量に安く作れるようになる
>と、生産に従事している者はほとんど儲からなくなる(いや、損をする)んですよ
>ね。

手間ひまかけて育てたものを処分するなんてこと続けると、作る側の心が
病みますよね。その様子を見て育った子供は、農業を継ごうと思うでしょうか。

午前中、先程引用したimidas2000の食料資源と食生活の項を眺めていた
のですが、

「食糧を政治戦略的物資に位置づける国もあり、今でも地域的に過剰と
不足、飽食と飢餓が併存している。」

「WTO農業協定の目的は「公正で市場指向型の農業貿易体制を確立する」
ために、「合意された期間において農業に対する助成及び保護を実質的かつ
漸進的に削減すること」にあるが、食料安全保障や環境保護を考慮すれば、
助成や保護を単純に削減するわけにはいかない。とりわけ、輸入国にとって
は、輸入量の増減は農業生産活動を縮小させ、耕作放棄地の発生を促進し、
環境・国土保全などの多面的機能(非貿易関心事項)の後退を招く。多面的
機能維持のための助成を国内政策としてだけではなく、貿易ルールに反映
することが可能かどうかが、次期農業交渉の争点の一つである。」 (P.266)

というようなところを読むと、

>食料自給率が下がるのは別に農業技術の問題じゃなくて、完全に経済の
>問題ですね。中国の安い賃金と安い土地代で作られる農産物に日本の
>農作物が対抗出来るわけがありません。

という結果になってしまうんだろうな、自由主義経済を謳歌していられる間
はいいけれど、水不足や農地の疲弊により輸出国の生産が儘ならなくなっ
たり、輸出国のご機嫌を損じたら、簡単に切られちゃうんだろうな等々、
思いました。多少、経済的な負担をしても主食は確保しなけばならないで
すよね。第一次産業に関っていない人に、「農林水産業の多面的公益機能」
を守るための負担を受容する素地がないと、難しいことになるだろなと思わ
れました。生活科で小学生に教えることはできても、現実の生活に追われて
いる大人に、このミームを浸透させることは大変そうですね。
う〜ん、どうなって行くんだろう・・・・・。




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