[BlueSky: 1933] Re 水処理について


[From] "Hiroyuki Sagawa" [Date] Sat, 29 Apr 2000 20:55:09 +0900

みなさん、邑瀬さん、こんにちは、佐川です。
レスありがとうございます。

【邑瀬さん:1915】
> 素人な質問ですが、窒素やリンはどのような形態で除去されるのでしょうか?
> 菌体としてですか?

窒素は一部は気体として一部は菌体として、リンは菌体としてです。
#窒素の場合、沈殿池から、ボコボコ(お風呂の中で屁をしたみたいに)と
#浮いてくることがあります。

> > で、嫌気槽のORP(酸化還元電位)の値は、微生物や浄化細菌に
> > 対してどの程度影響するのでしょうか?
> >  #当処理場では、−100mv〜−250mvで変動します。

> ORPが細菌に影響するというより、ORPで細菌の状態が分かる、と私は捉えてい
> ます。つまり、ORPは細菌が今何を(主にどの反応を)しているかの指標にな
> るので、監視せよという意味だと思います。例えば水田では、ORPが徐々に低
> 下するに従って、種々の化学反応が逐次的に起こります。もちろん、主役であ
> る細菌はそのたびに交代しているのでしょうが、細菌とて化学の法則に支配さ
> れているはずですので、あるORPに対応する化学反応しか起こりえない(起こ
> せない)と考えられます。(答えになっていませんね。)

まわりにこういうことを聞ける人がいないので、非常に有難いです。
おかげさまで、かなり頭の中が整理できました。

> 細菌は分かっているようでほとんど分かっていませんね。前にいた研究室では、
> 最先端の手法を使って活性汚泥中の細菌群集構造の解析をしている人がいまし
> たが、確か3割ほどの属が分かっただけで、「構造」というにはほど遠い結果
> でした。

うーん、3割しか分かっていないのですか。
細菌の世界は奥が深い。と、いうことですね。

【邑瀬さんwrote:1916】
>細かい話で恐縮ですが、琵琶湖ではここ数年BODはほぼ横這いであるのに対し、
>CODは上昇傾向にあります。原因はわかりません。
>下水ではそのようなこと(BODとCODがパラレルでないこと)がありますか?
>(下水処理場ではCODは測定しておられないかも知れませんね。)

大津市のHP・琵琶湖北湖のデータ
http://www.otsu-city-unet.ocn.ne.jp/kankyou/syosai/biwako/biwako01.html
 ↑CODの上昇は、原因不明であるとして調査中とのこと。

琵琶湖内部のCODと流入河川のBODのデータ
http://www.ritsumei.ac.jp/~rv068958/ske/cod.html
 ↑季節変動が大きい

琵琶湖周辺の合併浄化槽を含めた下水道普及率は70%を超えている
ということで、現在も随時整備中だそうです。

下水道の処理水のBODとCODは一対一に対応しませんが、BODが低い時
はCODも低く、BODが高くななればCODも高くなる傾向にあります。ですの
で、琵琶湖周辺の下水の処理水のBODが安定してるのであれば、CODも
安定していると考えて良いのではないかと思いますが、詳しいデータがない
のでハッキリしたことは分かりません。

#下水処理場ではBOD・CODともに継続的に測定しております。 


佐川でした。



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