[BlueSky: 1712] Re:1710 食品の生産コスト


[From] Akifumi Murase [Date] Sun, 09 Apr 2000 21:44:36 +0900

邑瀬です。

澤口さん、早速のフォローありがとうございます。
いろいろとかゆいところに手が届きます。

澤口さん:
> 日本の場合、舎飼いの方が大規模化しやすいメリットがあります。月齢別に分け
> て管理できますしね。あと、伝統的に家畜は家のそばで世話する心情があります
> し。
> 要するに、日本人は生産者も消費者も素材に細かく手を入れることを好む国民性
> なのだということではないでしょうか。

それは確かにありますね。善し悪しは別にして、日本人は基本的にやることが
細かい。海外で現地の人に指導しても日本人が帰ったとたんに続かなくなると
いう話は、農業にしろ何にしろよく聞きますね。日本にいる留学生と付き合う
ときも、その点にギャップを感じることがあります。

> >これは、バナナやエビなどいろんな安い食べ物でもそうですね。安さの蔭には
> >生産者へのしわ寄せがある。半ば奴隷状態です。
> ナタ・デ・ココ生産なんかは経済大国の気まぐれに振り回された例ですね。

そうですね。売れるから畑をナタ・デ・ココやアロエに換えたら、次の年はブ
ームが去っている... 今年はザクロでしょうか。日本人は自分の食べているも
のの素性をもっと知らなければいけないと思います。お金を出せばいいという
ものではない。(ところで、ザクロはいったいどこでつくられているのだろう
か?)

それと、ヤシ。フライドポテトの揚げ油もそうですが、近頃はヤシの実洗剤が
流行っていますね。「天然」というのが強調されていますけど、あれはボルネ
オ島などの熱帯林をヤシ畑に換え、プランテーション化して栽培、生産してい
ます。見渡す限りのヤシ畑... 土壌の流亡もしばしば報告されています。(私
の専門は土壌学です。)

> ハウス栽培技術が発達したのと、輸送技術、輸送速度が格段に上がってますから。
> 天候予測、産地情報、市場情報のリアルタイム分析力や管理力も携帯電話やイン
> ターネットの普及で変化しています。最近の長距離トラックは走りながらどこの
> 市場に入荷するのかリアルタイムで決めるのだとか。
> いうところのカンバン方式ってことでしょうか。

通信の発達のおかげで、「○月○日はキャベツの特売日だから、その日に合わ
せて何個用意しなければならない」というのは減ったということでしょうか。
前はそういう話を聞きましたが。


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