[BlueSky: 1700] Re:1695 資料の紹介


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Sun, 9 Apr 2000 07:13:36 +0900

邑瀬さん、みなさんこんにちは、小宮です。

邑瀬さんwrote;
>10年ほど前に本で読みましたが、ハンバーガーに使う安い牛肉はアマゾンの熱
>帯雨林と引き替えに生産されています。いわゆる、ハンバーガー・コネクショ
>ンといわれているもの。つまり、森林を焼き、草が生えてきたところに放牧し、
>草がなくなればまた別の場所を焼く... というやり方です。安さの裏にはその
>ような秘密があります。ハンバーガー1個で5平方メートルの森林が失われて
>いると、当時は計算されていました。

そういった放牧がされているとは知りませんでした。今も行われているのでしょう
か?僕が最近読んだ本では、最近の大規模畜産システムでは、飼料として草ではな
く、大豆やトウモロコシなどの穀類を与えているそうです。その方が、草で飼育す
るよりも3倍程早く体重つき、経済的にも合理的だということです。もちろん、こ
れは飼料が安く供給されるということが前提になります。

昨日電車の中でマクドナルドの広告を見ましたが、マクドナルドはこれから平日は
いつも半額で、ハンバーガー65円、チーズバーガー85円だそうです!ファースト
フード業界も生き残りをかけて、熾烈なコスト合戦が続いているんでしょうね。そ
れにしてもこの値段はすごいですよね。もしこれが学生時代だったら、僕は毎日ハ
ンバーガーを食べていることと思います。


ところで、日本の農業の現状の問題点と目標について、簡潔にまとめられている資
料を見つけましたので、紹介しておきます。

食料、農業、農村基本問題調査会答申
http://www1g.mesh.ne.jp/maff-osaka-toukei/toushin.html

この資料は、この調査会が平成9年に内閣総理大臣からの諮問を受け、21世紀を展
望した食料・農業・農村政策の基本方向について広く意見を求めながら検討を行い、
その考え方を答申として取りまとめたものです。ですから、現在の農政の方向を示
しているといえるのではないでしょうか。

日本の農政の目標に対して記述されている所を一部引用しておきます。
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21世紀の世界と我が国の経済社会の展望、我が国の食料・農業・農村が抱える厳しい
諸問題、食料・農業・農村に対する国民の期待を踏まえると、今後の政策展開に当
たって、次の3つの目標を掲げることが適当である。

 第1は、食料の安定的な供給を確保するとともに、我が国農業の食料供給力を強化
することである。
 食料は国民の生命と健康を支える基礎的な物資であり、現在から将来にわたり、量
・質の両面において、生産から流通・消費に至るまで、食料が国民の納得する合理的
価格で安定的に供給されることを確保することは、国家の基本的な責務である。この
責務を果たすため、従来から進めてきた構造政策の推進を加速し、農業構造の変革等
により担い手を育成することを中心に、国内の食料供給力の強化を図りながら、国内
生産を基本とし、これに輸入・備蓄を適切に組み合わせた総合的な食料安全保障政策
を確立する必要がある。

 第2は、農業・農村の有する多面的機能の十分な発揮を図ることである。
 農業・農村は、食料の安定的な供給のほか、洪水・土砂崩れなどの災害防止、水資
源かん養等国土・環境の保全、美しい農村景観の提供、歴史と伝統に根差した地域文
化の継承等の諸機能を果たしている。国民が安心して生活をし、安全を確保できる基
盤として、こうした多面的機能が十分に発揮されるようにしていくことが必要であ
る。

 第3は、これらの目標を達成する上で、地域農業の発展の可能性を多様な施策や努
力によって追求・現実化し、総体として我が国農業の力を最大限に発揮することであ
る。
 我が国農業が抱える厳しい諸問題、そして食料供給の役割と多面的機能の発揮に対
する国民の大きな期待を考えると、農業構造の変革等により農業の体質を一層強化
し、我が国農業の力が最大限に発揮されるようにしていく必要がある。すなわち、全
国各地域において農地・担い手等物的・人的資源の最大限の確保を図るとともに、地
域の条件や特色を活かした自由で多様な経営展開を通じて国民のニーズに迅速に対応
できるような生産と構造改善を進め、農地の有効利用・農業経営の発展を期すること
が肝要である。同時に、農業が本来持っている自然循環機能を十分に発揮できるよう
な農法を展開することも極めて重要である。
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現在は、食料の選択というものは、日本においては消費者が自由に選択できるように
なっています。消費される食品と日本の農業、食料自給率は深く関係していますから、
食料自給率を挙げるには消費者も食品の選択に対して意識を払うようにしなくてはい
けないのかもしれませんね。日本の伝統的食文化というものは栄養的にも環境的にも
優れているものだと思いますから、その当たりを我々が理解することが食料自給率の
回復に繋がると思います。

食料自給率と国民の理解に対して記述されている所も引用しておきます。

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このように食料自給率は、農業者、食品産業、消費者、そして行政といった全般に
関わる幅広い問題であること、また、食料が国民の自由な選択を通じて消費されるも
のであることを踏まえ、農業者をはじめ関係者のそれぞれが問題意識を持って具体的
な課題に主体的・積極的に取り組むことの成果として、維持向上が図られる性質のも
のである。この場合、その前提として、行政が国内生産・国内消費について十分な情
報を開示することが必要である。また、世界的に資源の制約が強まる中において国内
資源の有効活用の必要性が高まっていることを踏まえ、食料の生産・輸入の状況につ
いて国民の理解を深めることも重要である。
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小宮 祐一郎
メールアドレス:can32960@pop07.odn.ne.jp


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