長縄です。機械不調のためにしばらく通信不能でした。
小宮さん[1612]丁寧に調べていただいて有難うございました。
日本の食糧の安全保障のためには、日本周辺の絶対的な平和が必要です。大きな動
乱や戦争が起これば、日本の食糧事情は即困った状態になることは覚悟しておくべき
でしょう。また大供給国たるアメリカの農業の不振や、パワーポリティクスの武器に
使われても(例;ニクソンの対日大豆禁輸)同様なことが起こります。生活の基本で
ある食糧がこのようにあなたまかせになっているのは心もとない限りです。
私はひょんなことから、秩父(一市五町四村)の町づくり村おこしに多少かかわっ
て約10年になります。秩父は典型的な中山間地で、養蚕、織物(銘仙)、セメント
で栄えた地域ですが、現在はこれといった産業はありません。中山間地の例にもれず
農業は零細で、生業としては成り立ちません。休耕田、畑は年々拡大し荒れるにまか
せ、あるいは転用され、どなたかが言っていた作付面積を増やすなどは望むべくもあ
りません。
しかし全国的にみれば、中山間地の農地は全国の半分近くを占め、米の36%、畜
産の46%、果実の44%を生産しており、重要な生産拠点でもあるのです。結論を
急いで言えば、農地をなんとか「土」として温存することが、将来の危機に備えるひ
とつの方法であります。
私は地域の首長に機会をとらえては「温存」を進言しています。例えばドイツの市
民農園のように都会の住民に農地を開放(貸与)できないかということです。もちろ
んこれだけで解決できるわけではなく、例えばトンボ公園やホタル池などなど、色々
アイデアを持ち寄る必要があります。
ついでにいえば、中山間地は林業と切り離せないのですが、林業も大きな問題を抱
えています。これは別の機会の議論を待ちます。
この2,3年、中山間地の自然景観保護の観点から農家に所得補償する、いわゆる
デカップリングの導入が論議され、政治の課題になりかけました。しかし景気回復の
大合唱でいつのまにか消えてしまいました。一方で、平成7年に始まったウルグァイ
ラウンド対策費(初年度6兆円)はどうなっているか、つい先日の農水省の汚職の種
になっているのを知りました。まったく情けない話です。
この先、農政さらには日本の政治はどうなっていくのか、現状を見る限り、期待を
もてそうもないのですが、皆さんはどう考えているのか活発な議論をお願いします。
ではまた。
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