[BlueSky: 1539] Re:1535 遺伝子操作と農薬(除草剤耐性)


[From] Akifumi Murase [Date] Wed, 15 Mar 2000 12:49:21 +0900

ムラセです。

一ノ瀬さん:
>  なお、<GM導入の具体的なメリット>についてですが、私は、農薬使用量
> の削減に注目しています。

私もこれには期待しています。ところで、害虫抵抗性の遺伝子組み換え作物の
ことを主に論じておられるようですが、除草剤耐性の方はどのようにお考えで
しょうか?(すでに、大豆や菜種では出回っています。)

素人考えですが、こちらはむしろ農薬(除草剤)の使用を促進するような気が
します。([1459]の最後で書いた「農薬と抱き合わせ」という表現はこのこと
から来たものです。)

それとこちらの方は、本当に一社による抱き合わせの可能性が無いわけではり
ません。つまり、農薬の特許とそれに耐性の作物の特許とのセットです。現在
の除草剤耐性作物はSODという抗酸化酵素を増強して、除草剤の作用に耐え
るようにしています。除草剤の作用の強さと、それに対する作物の強さを調節
すれば、特定の除草剤と作物を組み合わせて売ることができます。また、特定
の農薬のみを効率よく分解する酵素を作物に組み込めば、より強固な関係がで
きます。(技術的に難しいかもしれませんが。)

企業による「抱き合わせ」の話はともかくとして、除草剤耐性作物の出現で、
今まで除草剤が使えなかった畑に対しても、除草剤を使うようになると思いま
す。(もちろん、除草剤によるリスクの増大よりも食糧増産のベネフィットの
方が大きいという立場に立てば、杞憂と言うことになりますが。)


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