[BlueSky: 152] Re:148 新しい形質の導入


[From] "Nagamine, Takafumi" [Date] Thu, 22 Jul 1999 10:12:06 +0900

STAFF研の長峰です。

> とにかく、自力で増殖できるものを放つと、取り返しがつかないことになるので、
> 遺伝子操作したものに限らず、その土地にもともとない形質を持つものは、
> 安易に自然界にもらさないようにしなければならないのだと思います。

そうですね。そういう前例を持ちながら、その経験がなかなか生かされない社会的構造があるように思います。

組換え生物の環境放出には他にも問題があります。それは、特定の遺伝子の自然界への拡散が一気に加速することです。例えば細菌→植物のような遺伝子の移動は、自然界ではかなりの時間を要します。しかし、植物A→植物Bの移動はそれにくらべるとずっと早いです。ですから、除草剤耐性の雑草が生じる可能性を高めることになります。また、自然に除草剤や防虫剤に耐性を持つ個体が出てくる可能性があります。そうなると、その害虫や雑草は一気に増殖することになり、さらに新しい遺伝子の導入でそれを除去することになります。そうなると後はいたちごっこで、今の医療で問題になっている抗生物質と抗生物質耐性菌との競争のようなことになるでしょう。もちろん、これらの問題は近い将来解決できるものと、私は思っています。



長峰 ∴nagamine@gene.staff.or.jp∴



▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。