[BlueSky: 1502] Re:1494  遺伝子操作と農薬


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Fri, 10 Mar 2000 10:16:29 +0900

こんにちは、葛貫です。

一ノ瀬さん:
> 国際政治の世界は、対立する勢力によるプロパガンダ合戦、という側面
>を持っています。そんな中に迂闊に頭を突っ込むと、却って、真実が見え
>なくなりはしないでしょうか?

そうですね。

>「サンプリングの仕方、統計処理の仕方、どの位の時間の経過の中で評価
>しているか等、研究方法自体の適正さ」(#1485)
>をチェックすることで、"GM安全論"が突き崩せるようなものならば、彼
>らがとっくにやってのけていそうなものだとは、思いませんか?
> 科学的な反論が出来ないから、市民の感性に訴える、という戦術で米国
>に反撃している、、、、それが今のEUの姿だろうと、私は見ています。

現在の「科学」の範囲では、未知、未確定の要素が多過ぎて、「適正な評価」
をどう定義したらいいのかわからないというのが、実態なのではないでしょうか。
良心的な学者だったら、結論だけを言うのではなく、どういう仮説に基づくと、
こういう結果になると伝えるでしょう。聞かれない限り、仮説の部分を敢えて
言いもしないという学者側の態度、学者の言い分だから、正しいんだろう、と
仮説を疑わない一般市民の単純さに、危うさを感じます。

「国連は、1990年から2020年の間に世界の人口は45%増えると予測して
います。その大半は途上国に集中し、食糧も不足することが予想されます。」
と言う記述を時々見かけますが、人口の変動には、出生、死亡、移動,疾病の
発生や治癒率,経済的な要因、天災の発生・その被害など種々の要因が関係
してきます。この1990〜2020年の間に45%増加という数字を算出するため
に、疾病の発生・治癒率を〜と見積もると、というような仮定がどれだけ含まれ
ているのかな、と思います。1、2の3で、いきなり45%増加するわけではない
のですから、途中で物資の不足、生息環境の悪化等(密度が高いほど感染症
の被害は大きくなるのでは)等、増加を制限するような様々なフィードバックが
働くのではないでしょうか。
混乱を避けるため取る手段は、食料の増産しかないのでしょうか。


> 肥え太り、高脂血症、糖尿病、心臓病等で、病院通いしている飽食者が、
>既得権を行使して、より一層、自分の周りに物やお金を集めようとしてい
>るイメージは、何ともグロテスクです。

これは、山崎さんが紹介して下さった、
As 1.2bn go hungry, as many over-eat
http://www.smh.com.au/news/0001/18/text/world10.html
を読んだ感想です。一ノ瀬さん、お読みになりましたか?

私は、別に、特定の既得権者を醜悪だと言ったつもりはありません。

食料が不足ぎみの時代は、身体に脂肪を貯えられる機能は、生存に有利に
働いた。今迄、人間の遺伝子は、過剰な脂肪を貯え込むと言う状態を体験し
たことがなく、機能不全に陥っている。皮肉なことです。
一ノ瀬さんが、どう解釈なさろうと、GM食品の導入に関する私自身の結論は、
まだ、出ていませんし、書いたこともありません。
1485に書いたように、考える材料として、いろいろな立場(政治・経済・主義)
からの調査・研究の結果を突き合わせて見られたらと思っています。


>これでは偽善だと思います。

厳密な意味で、利他的な行為ってあると思われますか?
偽善より、自分の都合を正当化して押し付ける独善の方が始末が悪いように
思われます。

ではでは。


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