須賀です。
青空MLに登録している永光さんから、なぜか青空MLに送信できないので、
と、わたしのところに代理投稿の依頼をうけましたので、転送します。
(転送ここから)
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遺伝子組み替え技術使用=資本=先進国と
遺伝子組み替え技術不用=農民=発展途上国
という相関ができあがっているので、多国籍農業資本による発展途上国の農民の支配
に反対すると、自動的に遺伝子組み替え技術の否定になってしまう傾向がありますね。
現実に相関しているこれらの要素をどのようにとらえるかで2つの立場があります。
技術と社会は独立してとらえられるという「技術は中立」的みかたと、
やはり両者には社会的歴史的な関係があって「技術は非中立」的立場もとれます。
前者にたてば、遺伝子組み替え技術は発展途上国の農民のために貢献できると主張で
きます。
いっぽう後者は、遺伝子組み替えは先進国の大資本を前提とした技術であって発展途
上国の農民のためにはならないと主張します。
さて、この議論のために、ちょうどいい事例をおもいだしました。引用元をはっきり
おもいだせないのですが、日本人研究者で以下のような仕事をしている人がいます。
熱帯の病気(マラリアかな)にたいして経口摂取して効果のありそうなワクチンタン
パクを、バナナとか熱帯作物に遺伝子組み替えしてつくらせるという研究です。そう
いった組み替えバナナがそこらへんにはびこれば発展途上国の人がタダでワクチンを
摂取できて、先進国の医薬資本の支配からのがれられるというシナリオです。
生体情報が地域の生活現場で自己複製して、資本の所有・搾取システムをつきぬける
というアイデアがすばらしいですね。
こういう遺伝子組み替え技術は善なのでしょうか。
組み替えバナナが熱帯諸国の農家の裏庭にはびこることの生物学的リスクは当然あり
ます。もし、そのリスクを公正かつ正確に評価するとしたら、かなり高度なレベルの
科学が要求されるでしょう。そのような科学的評価は「先進国の研究機関」でしかで
きないとしたら、また話はふりだしにもどるのです。
リスク評価の科学あり=遺伝子組み替え技術使用=資本=先進国と
リスク評価の科学なし=遺伝子組み替え技術不用=農民=発展途上国
さて、リスクを公正かつ正確に評価する科学者は、はたして中立でしょうか?
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永光輝義(ながみつてるよし)
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