[BlueSky: 1458] Re:1453 遺伝子操作と農薬


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Fri, 3 Mar 2000 23:51:10 +0900

みなさんこんにちは。山崎さん、初めまして。兵庫県の小宮といいます。

山崎さんwrote;
>まだ、始まったばかりですが、僕なりに授業を誤解を恐れずに一言で解釈すると、
>「自然の状態でないものは悪である。」になります。僕も基本的にそう思います。
>問題が起こるのは人間が自然の状態ではないからです。逆に、人間が
>増えすぎて淘汰されたら、それもまた自然の状態であるとも言えます。
>科学は絶対に危険であることは証明できても、絶対に安全であることは証明できない
>のです。
>
>これは哲学的な問いになります。以前の「科学技術と社会」のあたりでも議論されて
>いますが、この問いに対して、”一般的に”、日本ではどのような価値観があるので
>しょうか。
>「自然の状態でないものは悪である。」でしょうか、それとも、「危険だと証明され
>ないものは安全」なのでしょうか。
>また、BlueSkyの皆さんはどう考えられますか?

日本で一般的にどうなのかは分かりませんが、あくまでも自分の意見
として考えてみました。自然の状態でないものは悪、ということです
が、僕はこれは少しいいすぎのような気がします。そもそも、遺伝子
組替えが行われる以前にも、人間は自然をコントロールして人間に住
みやすいように変えてきたように思えます。遺伝子組替えでない品種
改良、単一の作物を広範囲に植え付ける農業、自然の病害虫を駆除す
る農薬、これらの技術のおかげで、我々の現在の豊かな生活があると
もいえるでしょう(考えてみれば、育種技術によって自然に存在しな
い新たな種を生み出しているわけですから、これはすごいことだと思
います)。ですから、一概に自然でないものは悪、とは言えないよう
に思います(「悪」という言葉の基準にもよると思いますが)。

いろいろ遺伝子組替えについて話を聞いたのですが、一般人と生物関
係の研究者の間では、その危険性や倫理面での捉え方に大きな開きが
あるように思えました。生物学関係の研究機関では、遺伝子組替えは
もはや当たり前の技術になっていると思います。遺伝子組替え自体は
かなり昔から研究されていて、それ以前にも種子や卵細胞に紫外線や
X線、β線やγ線などの放射線を照射したり、様々な化学薬品を作用
させたり、温度衝撃などで遺伝子に衝撃を与えるなどの方法や、花粉
の受精による交配などによって人為的に優良な作物を作るために品種
改良を行ってきたということです(詳しいことは知りませんので、あ
まり確かではありませんが)。ですから、ことさら遺伝子組替えだけ
とりあげて、自然の秩序を乱し倫理に反する、と批判するのは適当
ではないでしょう。

ただ、遺伝子組替えがここまで毛嫌いされるいきさつには、はじめて
市場に登場してきた際の、その技術の使われ方の面があるのではない
でしょうか。大企業による種子の独占、発展途上国の農業をつぶして
までも利益を得ようとするバイオ企業。また、動物を人間のための道
具にするような遺伝子操作(ここら当たりは賛否両論あると思います。
これはあくまでも僕の主観的な意見です)。このような人間のエゴを
増長させるような技術という先入観が根付いてしまったために、遺伝
子組替え=悪いものというイメージが定着してしまったように思いま
す。

僕は、以前も言ったことですが、技術自体には善悪はないように思い
ます。1406で村瀬さんが言われていたように、科学技術もうまく使
えば環境を改善する方向にも利用できるでしょう。ただそれが暴走し
て、利益をあげるためならどんな技術を使って、どんなことをやって
もいい、というのはやはりおかしいと思いますが。あまりまとまりま
せんが、とりあえず思ったことを書きました。

>どなたか皆さんのような引用の仕方を教えていだだけま
>せんか

引用は、メーラーの受信簿の中のメールを選択した後に「返信」コマ
ンドを使えばできますよ(メーラーの種類によってコマンドは変わると
思いますが。僕のEUDORAでは「メッセージ」の中の「返事」でいけ
ます)。
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小宮 祐一郎
メールアドレス:can32960@pop07.odn.ne.jp


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