[BlueSky: 1406] Re:1376 科学・技術と社会


[From] Akifumi Murase [Date] Mon, 07 Feb 2000 15:48:17 +0900

新入りのムラセです。横からすみません。

科学と技術は別物というのは皆さんのご指摘の通りですね。科学と技術は相互
に影響を与えながら発展していくものだと思います。科学は技術の改良のため
に使われるべきですし、技術は科学の発展には欠かせません。

しかしながら、いろいろな分野に首をつっこんでみて気づいたことですが、科
学をする人と技術をする人との連携があまりよくないです。私の今いる「農」
を例にしますと、農学の研究者、農業試験場の研究者、農業普及員、農家の人
の順に、科学から技術のウェイトが高くなります。恥ずかしい話ですが、私は
農学をやっていながら実際に農業をしたことがありません。現場に行っても、
農業普及員と農家の人の話を傍らでボーっと聞いているだけで、いわば「注射
のできない医(学)者」状態です。

これでは現場での問題点を解決するために科学を使うことが困難になります。
いくら理論的によくないと科学者が言っても、現場の人には「机上の空論」で
しかないということがしばしば生じます。崇高な科学も大切ですが、実用の方
に還元しなければ、単なる「科学のための科学」になってしまいます。もった
いないです。既知の科学を技術に応用するだけでも、環境問題の多くはかなり
改善されると信じています。廃棄物の再資源化などはまさにそうです。科学の
進捗状況と現場の事情の両方に明るい人材が必要に思います。


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。