一ノ瀬(尼崎市)です。
横山さんや葛貫さんの様に、
「雇用維持のために(無駄でも)公共事業はやめられない」
という主張は確かによく耳にすることです。
しかし、これは、一部の主張を鵜呑みにした、根本的な誤解に基づく主張だ
と思います。
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*理由1.公平を欠く
横山さん<ゼネコンは全世帯の25%に波及する>
の25%という数字は、確かに大きな数字です。
けれども、裏を返せば、
「残りの75%は、なんらの恩恵を受けていない」
事を意味しています。
25%だけが、無駄な公共事業を与えられて優遇されることに、正当性があ
るとは思われません。
日本の景気がなかなか本調子にならないのは、この、25%(或いはそれ以
下)を残りの75%が、重い負担を背負って支えていることに、一因がありま
す。
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*理由2.社会保障との混同である
横山さん<
建設現場を放り出された結果,町に溢れるホームレスは生きる資格が無いと
いうのだろうか?
>
ホームレスは、社会保障によって解決すべき問題です。
社会保障にはケチだが、公共事業には大盤振る舞い。だからホームレスが出
るのです。
大体、体が弱くて土木作業に耐えない人こそ、最も救いの手を必要としてい
る人達であるのに、公共事業ではそういう人達は切り捨てられます。
更にいえば、「ホームレスの人達の生活を保障」事が目的ならば、公共事業
は社会保障よりも効率がずっと低くなります。
仮に、1000億円を公共事業に費やす場合、その1000億円は、最終的
には関連産業まで含めて、関係者の所得になりますが、途中でかなり目減りし
てしまいます。
公共事業を行うには、燃料や原材料をどうしても輸入しなければならないの
で、その分が海外に漏出してしまうのです。
しかも、国内においても、公共事業に伴う儲けの分配は、末端の労働者に対
して手厚いとは決して言えない。
これに対して、社会保障で1000億円使えば、このような無駄は生じませ
ん。
こんな公共事業が、あたかもホームレス対策で有るかの如き「勘違い」をし
ている方は、少なくないように思われますが、社会にとって甚だ有害な勘違い
であるといえるでしょう。
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*理由3.持続不可能である
その理由は説明するまでもありません。借金だらけです。
社会が必要としなくなった土木事業は、規模を縮小して、従業者も別の産業
に移らざるを得ません。
確かに、
横山さん<
PCを使っているだけ,プログラムするだけ程度ではIT革命では負け組に
入る
>
と指摘されるのはその通りですが、それでは、このまま借金を続けろと言うの
でしょうか?
そんな、出来ないことを言っても無意味です。
公共土木事業に費やす金は節約して、社会保障と、転職支援のために費やす
方が、まだ将来への展望が開けます。
それとも、横山さんは、何か妙案をお持ちなのでしょうか?
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