[BlueSky: 1329] 遺伝子操作と農薬


[From] "IWAO, Keisuke" [Date] Tue, 25 Jan 2000 11:49:45 +0900

いわおです。

 えーっと、、、だれのメールのどの部分にフォローしたらいいのかわからな
くなったので、適当に書きます。すでにshootさんがフォローされたものもあ
りますが。

Q:BTはチョウやガ(鱗翅目)の幼虫にしか効かないの?

A:一番広く使われているものは鱗翅目にのみ効果がありますが、バチルス菌
の系統(亜種?)によっては甲虫(鞘翅目)のみを殺すものや、ハエや蚊のた
ぐい(双翅目)を殺すものもあるようです。多くの主要害虫が鱗翅目幼虫なの
でそれ用のBT遺伝子が一番多く組換え作物に使われていますが、甲虫の害虫
であるコロラドハムシに抵抗性を持たせた遺伝子組換えジャガイモもアメリカ
で商品化されています。また、これは遺伝子組換えとは関係ありませんが、ユ
スリカの退治のためBT剤の使用が検討されていると聞きました。


Q:BT剤というのは生きた菌? 

A:shootさんはゴルフ場やハウス用に生菌が使われていると書かれましたが、
ほんとですか? 自己増殖可能な生きた菌を広範囲にばらまくというのは、き
わめて大きな生態系への影響が予測されることであり、あまりありそうにない
ことだと思うのですが。それに、消滅しかかっているとは言え養蚕業は昔の重
要産業であり、その養蚕に影響のある生菌散布を農水省が認めるでしょうか。
さらにいえば、生菌を散布可能な形で流通するのは難しくないでしょうか。

 一般に流通しているいわゆる「BT剤」は、菌体ではなく、菌が産出した毒
素たんぱくの結晶です。手元に東亜合成化学工業の「トアローCT」という製
品がありますが、他の化学農薬とまったく変わりのない粉剤で、水に溶いて使
います。タンパク質ですから、水に溶いてから長くはもちません。


    ◇       ◇        ◇

 なんか本来の話題からずれてきているような気がするので、あまり細かいこ
とを言ってもしょうがないですね。
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