[BlueSky: 1323] Re:1318,1319 遺伝子操作と農薬


[From] "一ノ瀬 威" [Date] Sun, 23 Jan 2000 23:15:18 +0900

 一ノ瀬(尼崎市)です。

 大塚さん、IWAOさん、コメントありがとうございました。 

大塚さん<
 くだんの Bt トウモロコシはどうも体のあちこちでのべつまくなしに
Bt毒素を作っているようです。
・・・・・・
 こういう私から見たら不完全なものを大々的に売り出したので、農薬と
して Bt 毒素をまくよりもずっと問題となってしまうのだと思います。

 Bt剤を実際にはどう撒いているのか、私は知らないのですが、農薬一般につ
いて言えば−−ヘリコプターによる空中散布が典型ですが−−部位を特定せず
畑ごと、土壌ごと、農薬漬けにしてしまうやり方が普通ではないでしょうか?
 更に、大規模散布する場合には、その農薬の環境中での残留生や、蓄積性も
考慮しなければならないはずです。
 大塚さんの説明だけでは、Btトウモロコシの方がより環境負荷が高い、とい
う判断は、下せないと思いますが。


IWAOさん<
 ただし、日本人が想像するほどにはアメリカのトウモロコシ農家は農薬を使
わないのかも知れません。大部分は飼料用でしょうし、「トウモロコシの代表
的害虫は茎の芯にもぐり込んで食い荒らすので外から農薬をかけてもほとんど
死なないから、非組換え品種にも農薬はかけない農家が多いだろう」と書いた
Natureの記事がありました。

 素人考えでは、害虫が孵化してもぐり込んだ後では効果がない場合は、親が
卵を産み付ける時期に、親を殺すために農薬を撒きそうな気がします。
 私は、土いじりなどやったことのない人間ですが、この、Natureの記事を書
いた人は、どうなのでしょうか?
(なお、EPAのPress Release紹介、ありがとうございました。納得。)

---------------

 大塚さんが指摘する通り、今のBtトウモロコシが不完全なものであるとい
う指摘には異存はありません。
 けれども、一方で、農薬のみに頼る従来型の農業が、多くの欠陥を抱えてい
ることにも、異存のある方はいないと思います。

 遺伝子組み替え作物の是非を論ずるためには、この不完全なもの同士、どち
らがよりましであるか、相対評価しなければならない筈です。
 しかし、巷の議論は、組み替え作物の不完全性のみに拘泥しているように見
受けられます。

 工業製品の世界では、LCAなどといって、製造−使用−廃棄段階まで含め
て、環境負荷の高低を評価して行こうという動きが、一般的になりつつありま
す。
 環境負荷(含、人間の健康)の高低、という尺度で、遺伝子組み替え作物と
従来作物とを、比較して見てゆくべきではないでしょうか?



▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。