[BlueSky: 1315] 博覧会国際事務局議長の警告を通産が無視−愛知万博てなんだ?


[From] "Takashi Goto" [Date] Fri, 21 Jan 2000 02:01:51 +0900

後藤@環境NPO研究会です。

中日新聞に先週載った記事をもとにしたのか、日刊紙各紙が今日
こんな記事を載せています。これは万博だけの話ではありません。
折りしも、吉野川の「可動堰建設計画」について1月23日に住民
投票が行われますが、現地では、推進派による投票ボイコットの
呼びかけが行われるなど、常軌を逸した愚行が平然と行われてい
ます。
諫早湾、藤前干潟、三番瀬、そして万博。
公共事業とは何なのか?
誰のためのものなのか?
原点に立ち返って見なおす良い機会です。


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2000年1月20日・毎日新聞より

愛知万博:環境破壊警告の極秘メモの会談内容全文判明

 2005年日本国際博覧会(愛知万博)関連の新住宅市街地開発
(新住)事業をめぐって、昨年11月、博覧会国際事務局(BIE)のフ
ィリプソン議長(当時)らが通産省担当者に環境破壊を警告した極秘
メモの会談内容の全文が20日、判明した。フ議長らは「非常に大規
模な20世紀型の土地開発」「私が感じる嫌悪感と同じものを世界は
感じている」と、極めて厳しい口調で計画を批判した。
 フ議長は会談冒頭、「あなた方は地雷の上に乗っている。2〜3年
後には爆発するぞ」との言葉で、環境団体との意思疎通を求めた。そ
して、「跡地利用は環境破壊になるのでは。この不動産開発は良い
ことか悪いことか」「山を切り崩し木を切り倒し、4〜5階建ての団地を
建てる。このような計画こそ開発至上主義の産物。(自然の叡智とい
う)博覧会のテーマの理念の対局にあるのでは」と迫った。極秘メモに
は、通産省担当者が「口を押さえ天井を見上げながら終始無言」と、
苦慮する様子も記されている。

 フ議長は「世界は、国際博覧会が環境破壊をしていると見ている。
BIEの哲学、モラルに完全に反し、看過できない」と指摘。通産省担
当者が「海上の森地域の開発をやめろということは、この博覧会プロ
ジェクトは止まる」と説明すると、フ議長は「愛知博が中止になること
はBIEにとって問題ない。2010年に声を挙げている国が多くある。
なくなっても、そのうち何カ国は2005年にまわりたがるだろう」と反
論した。
 フ議長はなおも厳しい言葉で、「WWFのような世界的な環境団体
が『愛知博に参加することは環境破壊の手助けをしていることだ』と
主張を繰り広げたらどうする。1カ国も博覧会に参加しなくなるぞ。環
境団体が愛知万博に資金援助する企業の製品の不買運動をすると
言ったらどうするんだ」と警告した。
 最後に、通産省などが今年5月末の計画登録を目指す点について
、「今の計画で登録申請してきたら、『もう一度、ゆっくり検討し直し、
書き直してくれ』と言うことになる。準備が整ってから登録をしなさい
。資金計画にも疑問がある」と再考を促した。
 BIEと通産省の協議メモを博覧会協会職員が作成していたことに
ついて、協会の黒田真総長は20日、東京事務所で緊急会見し「あく
までの個人の備忘録で、内容を正確に表したものではない。会談内
容はブレーンストーミングのようなものだった」と述べた。さらに「(公
に)出てはいけないものが出てしまったことは遺憾で、協会責任者と
して深くおわびしたい」と語った。

以上


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