[BlueSky: 1245] Re:1240 少子化問題・人口減少問題


[From] ymizuno@yo.rim.or.jp (水野義之 Y.Mizuno) [Date] Wed, 12 Jan 2000 01:44:48 +0900

後藤@帯畜大さん、水野@京都女子大です。


いろいろご説明をいただき、感謝します。

> >後藤さんwrote;
>> >>隣近所が助け合い、共同して子育てする、という状況が戦後どんどん希
>> >>薄化してきて、狭いマイホーム、マンションの内と外の隔たりが極めて
>> >>大きくなってきたように思います。
>> >>
>> >>しかし、個の「自由と責任」が推進された、というよりは、個の「勝手
>> >>と無責任」が増長されただけ、のようでもあります。それはまた同時に、
>> >>「共感」喪失への道でもあり、「孤立化」「自閉症化」への道でもあっ
>> >>たようです。


>> まず、上記1)については、戦後の日本社会が選択してきた、産業
>> 復興優先の、戦後経済政策の結果、(労働人口の移動が大規模に起こり
>> 地域社会の構造が、完全に破壊されてしまったわけですが、その結果)
>> であると考えているのですが... 。
>社会構造的な原因としては、高度経済成長政策が筆頭にあげられるべき

その通りですね。

>農業破壊と貧困な住宅政策が、高度経済成長政策の一環として行われて
>きたのが大きく効いていると思います。

なるほどね。住宅政策ですか。これも、考えなくてはいけませんね。
いま、どうなっているんでしょうね?


>確かに、個人の「勝手と無責任」を推進するうえで、家父長制の崩壊や
>戦後民主主義の普及は必要条件を提供したことは事実であろうような気
>はします。しかし、それだけでは説明できない。
>
>父親は企業戦士たるよう駆り立てられ、地域内や家庭内での教育力を失
>っていった(お父さん、元気で留守がいい、という標語が流行りました
>ね。)。母親は教育ママに転身し、受験戦争が低年齢化していった。

本当に。そ〜なんだよな。でもまあ、高学歴化社会そのものは、
悪いことではないと私は思うのですが、まあ、その辺は意見があわないので、
やめますが、前半は、同感だし、正しい点を突いていますね。


>
>・・・子供の方は、有り余るお金で、何でも買い与えられて育った。そ
> れは、子供に溜まるストレスの一時的解消としても機能したであ
> ろうし、一緒に遊んであげられない父の免罪符としても機能した
> であろうが、、、環境問題の根本を作る基本的な要因のひとつに
> もなってしまったし、、、管理教育(子供のストレス過重による
> 「はみだし」の一時的抑圧によるストレスの長期化)の一翼にも
> なってしまったし、、、いろいろあるようで、、、
>
>結局、学業成績を個人競争の唯一の(ではないにしても強力な)指標と
>化すような形で事態が推移し、それさえよければ、、、と、甘やかしす
>ぎて育ててしまうような家庭が増えてきたのではないか。地域から子供
>の遊びが消えれば、テレビゲームをやるか、自分も学習塾にいくか。

このあたりの子供観は、私と後藤さんとは(以前から)意見があわないので、
やめますが、しかし(ご指摘のことは)1面の真理を突いてはいますよね。

>1)と2)の問題は、社会構造転換に端を発しつつも、1)と2)とで
>複雑な相互増幅的作用を行いつつ、逆に、社会構造なり社会規範なりを
>も作り上げてきたので、以上においては、その一端を示唆しうることし
>か述べられていませんが、複雑であるため、本日のところはこの辺でご
>勘弁下さい。

政策的な誘導が可能であるのか、それともなす術がない、というべき
方向の見えない問題なのか、と。

問題意識は共通であろうと思うので、政策提言までもっていくには、
どうしたらいいのかな、と思うわけです。




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Yoshiyuki MIZUNO 水野 義之(大阪府 茨木市) ymizuno@yo.rim.or.jp
Office: 京都女子大学 "現代社会学部" http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/
mizuno@kyoto-wu.ac.jp Tel&fax: 075-531-7104 fax: 075-531-7102
 


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