[BlueSky: 1241] Re:1217 少子化問題・人口減少


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Tue, 11 Jan 2000 17:15:55 +0900

2000年無事に開けておめでとうございます。

和尚@DGC総研です。

新年早々,人口問題という人類の未来,地球環境に最も重要かつ
本質的な問題がまじめに提起されながら,予算書と会議資料の締め切
りに追われて議論に参加できませんでした。

 議論の推移を拝見いたしておりますと,少子化の原因に議論の中心
が移っている様ですが,それも勿論重要ですが,この問題のもう一つ
見逃せない点は,今現に生きている人間を将来どのように少ない納税
者人口で社会が養ってゆくかということです。この問題は未来の問題
ですが,確実に訪れるいわば「約束された」未来です。まだ,社会的
余力があるうちに改革する点は改革し,伸ばすところは伸ばす具体的
な行動をとらないと,一番苦労するのはこのMLに参加している中心
的世代おそらく30〜40代です。私たちの世代がリタイヤする時期
に日本の65歳以上人口が相対的に最も大きくなります。その上,財
政破綻のつけ,高度成長時期に粗製乱造した社会インフラの維持,更
新に莫大な出費を要します。加えて,高度成長期に育った世代には前
世代に比べて耐久力が明らかに欠乏しています。これは,大変な時代
だからといって我慢して堪え忍ぶことが出来ないことを意味します。
財政を賄うために,国債を日銀で引き受けるようなことになったら(
政治家からこの圧力が日増しに高まっていると聞きます),日本の通
貨の信用は消滅します。そうなれば海外からの食料,エネルギーとい
う必需物資の導入が困難になることを意味します。数え上げれば切り
がありませんが,私たちの世代はシステム崩壊の瀬戸際に居るのです。
そのとき私たちの世代は,今なにもしなければ非生産者,つまり社会
的重荷となるのです。少子化,人口減少は高齢化問題と同義であり,
社会の生産構造のバランス崩壊を意味するのです。そして自分たち
自身が当事者であることを忘れないようにしたいものです。

実はもっと深刻なのはお隣中国の問題なのですが・・・・

ですから,

> そもそも、明治以降の人口増加が異常なのであって、

気持ちは私も共通ですが,「そもそも論」をしている余裕は私たちには
無いのです。

> 人口増加が何時かは頭打ちになって減少に転じるのは,ごく自然
> な事なのに、何故それをことさら「問題」と騒ぎ立てるのかが
> 私には理解できません。

少なくとも私の周りには,そのための具体的対策に追われる人々は居ても,
そもそも論を今更する人が居なかったので,思わず多弁になりましたが,
私の危機感を理解して頂けたでしょうか?

ではどうすれば良いのか,生みたくない人に飴と鞭でもって子供を産ませる
ことなど不可能です(政府の少子化対策はそう見える)。思い切った規制緩和
で,出る杭をどんどん育てて新しい生産構造バランスを早急に育てることは
勿論ですが,それと同時に悪平等理想主義に裏打ちされた所得の右肩上がり
幻想を捨て,生活レベルの適正化(簡単に言えば賃下げですね)を行う必要が
あります。

組合が眼をむきそうですが,私たちの生活は明らかに実力以上に華美になって
いる点を自覚すべきです。そうしてもう一度,今度こそ地に足のついた,
アメリカの生活を真似るような愚かなまねを止めて,自然と環境に配慮した
先進の生活スタイルの構築をするのです。

かなり困難なことは解ります。それが出来れば,環境問題MLも必要ない良い
世の中になるのですが・・・・

この際まとめて書きますが,環境や教育の問題をあげて「子供がかわいそうで
生む気にならない」などと尤もらしいことを言う人が居ますが,子供は未来の
世代であり,それを後生に残す行為は未来への投資です。勝手な判断で投資を
渋るのは単なるエゴイズムでしかないと思います。本当の姿は,「子供のため
に時間もお金も使いたくない。そんな時間もお金もあるなら私が使う」と言っ
ているのです。

自分たちが親の世代の投資の結果ここに存在していることも忘れてです。
子供の未来を心配する前に自分の生き様を心配しろと言ってやりたいです。

それから,今の高齢世代が年金を貰いすぎているという評論家や,一部頭の悪い
若者が居ますが,彼らの時代には戦争があったことを忘れてはいけません。
その損害賠償はだれもしていない,国家もです。一部戦死者への恩給くらいで
しょう。死の恐怖に対する購いを考えれば彼らはちっとも得などしてません。
親の世代は,戦後の飢餓を生き抜いたのです。これらの人々の,それでも未来
への投資が我々を生存させているとしたら,どうして,「人口は多すぎる」,
「少なくなって何の問題なのか?」と言えるでしょうか?

現実を直視し,人類たる賢明さをもって,生活スタイルの変革に耐え,次世代が
真に住み良い未来に投資することを私は決して厭いません。

そのための自己啓発のためにこのMLに参加しているのです。

長文,駄文を失礼いたしました。批判は甘んじて受けます。ご指摘ください。

追伸:ただし,発言いちいちの因果関係を云々されてもお答え出来ない場合が
あります。なぜなら,複雑な現象内では因果関係が破綻している様に見えて,
しかも直感でしか捉えられないことが多々あると考えているからです。
あしからず
横山 和尚/DGC総研


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