[BlueSky: 1150] 「複合汚染」のあとがき


[From] yamaatsu@bres.tsukuba.ac.jp (Atsushi YAMAGUCHI) [Date] 29 Nov 1999 03:29:01 -0000

はじめまして。山口淳と申します。
筑波大学生物資源学類の2年生をやっております。

初めての投稿で厚かましいのを承知の上で、青空 ML のみなさんの
知恵をお借りしたいことがあります。


みなさんは、有吉佐和子さんの「複合汚染」という本をご存知でしょうか。
今から25年前に朝日新聞に連載されて社会に大きな衝撃を与えた、日本版
「沈黙の春」とでもいうべき興味深い本です。

「複合汚染」の主な内容------------------
著者の視点で見た社会の中の様々な化学物質(農薬・食品添加物・合成洗剤
など)に対する不安感と、それらを取り巻く状況を明らかにして社会の歪みを
示すとともに、有機農業運動などの、未来に明るい予感を抱かせる現場も
紹介しながら、化学物質依存社会について自然体で考察している。
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僕は個人的に興味を持ってこの本の内容について色々研究しようとしている
ところで、厚生省や農水省の食品添加物や農薬に関する許認可の姿勢の変遷
などを中心に調べているのですが、ここで一つ疑問にぶつかりました。

この本のあとがきの最後の部分で、著者の有吉さんは次のように述べています。
「問題の原点である流通機構について私の筆が及びませんでしたのは、どちら
かといえば生活者のサイドを読者として想定していたからです。しかし賢明な
方々は、通産省が勇断を下してストック・ポイント・システムに切りかえて
生産者と消費者の距離を縮めれば、、厚生省と農林省が抱える問題の多くは
解決されることにお気付きだと思います。」

こう自信に満ちた口調で述べているのですが、僕には真意がよく掴めません。

恥ずかしながら「ストックポイント」という言葉もここで初めて目にしたの
ですが、百科事典で引いてみると、「異なる輸送機関を連結し、貨物などを
一時保管しておく場所」といった感じで定義されていました。配送センター
や集積所のようなものだと思ってよいのでしょうか。流通業界では物流の
効率化のための合言葉のように使われてもいるようですね。


ちょっと話が詳細に入ってしまいましたが、僕にとって引っかかったのは、
有吉さんが、本文では化学企業と行政、農協の癒着などを例に挙げて警鐘を
鳴らしている農薬や食品添加物の問題を、あとがきでは「単純に流通の非効率
の問題である」と言っているように聞こえてしまう、ということです。


流通・物流に関する知識をお持ちの方、また「複合汚染」をよく読み込まれて
いる方、どなたかアドバイス頂けますでしょうか。
誠に勝手なお願いですが、何とぞよろしくお願いいたします。

僕も専門の知識は何も持っていませんができる範囲で今後もこのメーリング
リストでの議論に参加させていただきたいと思います。

それでは、失礼いたします。
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山口 淳  
Atsushi Yamaguchi
yamaatsu@bres.tsukuba.ac.jp 


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