[BlueSky: 1138] Re:1136 福岡産廃処分場死亡事故に関して


[From] "Sagawa Hiroyuki" [Date] Wed, 24 Nov 1999 00:59:53 +0900

みなさん、よすけさん、こんばんは、佐川です。

下水処理場で働いております。

>貯水槽(縦1.3m、横1.5m、深さ5.2m)で、水質検査のための
>水を採取しようと入った関連会社の従業員が硫化水素の
>急性中毒のためにたおれ、その人を助けようとした従業員の方が
>続いて倒れ、両者を助け出そうとした従業員の方がまた倒れ、
>結果的に3名が死亡、1名が軽傷(すでに快復)、となりました。

 亡くなれらた方のご冥福をお祈りいたします。


通常このような貯水槽内部での作業は、十分な時間をかけて強制換気
をした後に、酸素濃度、硫化水素などの有害ガスの濃度を測定して、
安全を確認してから作業をするはずですが、従業員の方に知識がなかった
のでしょうか?

>筑紫野市生活環境部、筑紫保健所及び保健環境研究所の
>公表資料によると、ほぼ一日後の現場の大気測定の結果は、
>硫化水素は以下のようになっていたということです。
>深さ0m地点で120ppm
>  2.5m    610ppm
>  3.5m    150ppm
>  4.5m    870ppm

これは、人間が死に至るには、十分すぎる濃度です。


>ii.  「安定型」産業廃棄物処分場から有害ガスが発生したということは
>   安定型も実は安全ではないのではないか
>  (今年はじめに安全ではないとの判決が出ている)

>iii.  安定型処分場で埋め立てが許可されている安定5品目、すなわち
>   【建設廃材、ガラス・陶器くず、プラスチックくず、金属くず、ゴムくず】
>   の中には硫化水素が致死量に至るまで発生する原因となるものは
>   見受けられないのではないか。

>4.疑問点
>硫黄源として、ゴム中の硫黄の溶出は考えましたが、原理はともかく、
>(硫黄の橋かけは重金属の触媒作用で容易に離脱するようです)
>ゴム中の硫黄がどれだけ溶出するかについての文献が見あたりません。
>また、ゴムは容量からいうと全体の0.3%程度で、
>高濃度で発生した今回の硫黄源とは考えにくいのです。

>高濃度にはならないでしょうが、嫌気性環境下の有機物の分解も考えられます。

現在の下水処理(微生物の働きを利用した生物処理が主流)の技術では、大量
の汚泥(下水中に含まれる汚濁物質を微生物の働きで固形物化した物)が、発生
します。
そして、その汚泥は、産業廃棄物として一般の産業廃棄物処分場に廃棄されるの
です。

事故のあった処分場にも、下水汚泥が廃棄されていた可能性があります。
下水汚泥には、大量の有機物が含まれていますので、その有機物が水に
溶けて流れだし、貯水槽に流入した結果、嫌気性分解が進行し高濃度の
硫化水素が発生したものと考えられます。

あくまでも一つの可能性ですが。




佐川でした。







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