[BlueSky: 1058] Re:1057 DDT使用禁止に?


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Fri, 29 Oct 1999 18:06:01 +0900

葛貫です。

中澤さん、情報ありがとうございました。


>少なくともマラリアの伝播システムに関して言えばDDTが有効でない場合がかなり
>あることをWHOは認めているのに,UNEPでは過去の認識を打破できないようです。
>禁止派は,マラリアの疫学の専門家に参加を求めなかったのでしょうか?
>まだ結論というわけではありませんが,少々がっかりしました。


アメリカでもマラリアの発生が増加したり、今迄なかったタイプの脳炎が発生したり
して、カの駆除に苦労しているという記事を、何週間か前に見たように記憶します。
アメリカでもDDTを散布しているのでしょうか。

>DDTの生態リスク評価の数理モデルというのには期待するところが大きいのですが,
>仮定の妥当性が低かったら,モデル自体は正しくても,結果は狂うのが問題
>と思います。
>#仮定の妥当性というのは,自分の悩みでもあるのですが。


個々の個体が物理・化学的な環境要因と複雑に応答しており、それが多種集
まって系を構成しているのですから、解析するのは大変なことだと思います。
水産関係の文献にも資源評価や成長を解析するめの数理モデルがよくでて
くるのですが、モデルで導き出した値と、実測値を比較して、仮定を見直したり、
加味する必要のあるファクターについて検討したりしているようです。
理論は既知のファクターで組み立てられているもの。
結果が狂った時は、未知のファクターを見つけるチャンスかもと思って、
仮定の妥当性、サンプリング方法の妥当性等を考慮し、試行錯誤しつつ
評価方法を確立してゆくしかないのかもしれません。

環境アセスメントにも同じことが言えると思います。
事後の観測を継続し、事前評価手法にフィードバックして行く必要があるのだと
思います。事後のモニタリング・データは蓄積されつつあるのに、解析して発表
する人が少ないのが残念です。

【1034】で、
>金のかかる面倒くさいシステム構築をやろうという,自分で
>泥をかぶろうという人が,いたとしても少数なのだという
>ことだと思います。
と、中澤さんが書いていらっしゃいましたが、華やかな先端技術開発には人材や
資金が集まっても、その尻拭いには、余程、切羽詰まらなければ、資金や人材は
集まらないものなのかもしれません。
先日の臨界事件(事故とは言い難い)も、補償問題と責任者追求に関心が移り、
今後の具体的な対策や原子力発電自体今後に関する一般の人の問題意識が薄れ、
「のど元過ぎれば熱さを忘れ」になってしまわなければいいのですが・・・・・・。

Y.Kuzunuki <kuzuny@geocities.co.jp>




▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。