[BlueSky: 1052] Re:1037 はじめまして


[From] ita@ls.toyaku.ac.jp (ITAHASHI Shiho) [Date] Thu, 28 Oct 1999 19:53:48 +0900

相澤さま みなさま

初めて投稿します.板橋志保@微生物生態屋です.

微生物はどこにでもいる.たくさんいる.昔からいる.
縁の下の力持ちとして地球を支えている.

地球の物質循環における微生物の役割の重要性,私たちの生活や地球が支えられてい
ることを,もの言えぬ微生物の代わりに伝えることが私の役割ではないか,と密かに
思っています.
お仲間に会えてうれしいです!

At 11:05 PM 99.10.22, Yoshiyuki Aizawa wrote:
> 微生物は医薬品生産、食品生産ほかありとあらゆる分野で研究され,人間にとって
>有用な機能が数多く開発されています。農学の分野において応用微生物学は花形の
>ひとつであり、その魅力は微生物の無限とも言える可能性の神秘性にあるといえます。
> 環境分野においては、排水処理、土壌・地下水浄化、コンポスト、メタン発酵など
>、さまざまな技術が開発されています.さらに廃棄物のリサイクルや食糧問題の解
>決を目指した研究も数多く成されています.
・・・・・・・
> 環境問題に深い造詣をもっていらっしゃる青空MLの皆さんは環境分野における微生
>物の可能性というものをどのようにお考えでしょうか?

地球がごみだらけにならないのも,牛がわらを食えるのも,おいしいお酒が飲めるの
も,微生物のおかげです.可能性は大.まだまだわからないことだらけで,やること
もいっぱい.わくわくします.
研究どんどん進めば良いですね.微生物をやる,関心を持つ人がもっともっと増えれ
ばいいな.

しかし,残念ながら,その重要さのわりに微生物は,特に環境中の微生物は軽視され
ているような気がします.材料としての大腸菌や枯草菌はがんがん使われていますが
,彼等の自然の中での暮らしや生き方に目が向けられることは少ないような.同じ生
物屋さんにもほとんど理解されないし,そんなの学問じゃないと言われるし・・・と
思うのは異端のひがみだろうか?

At 1:16 PM 99.10.27, Minato Nakazawa wrote:
> 一つだけ懸念するのは,利用する微生物に対して人為淘汰がかかることによって,
>予想外の形質をもった突然変異種が選択されてしまうことが起こらないか,という
>ことです。遺伝子組換え微生物などを考えると,さらにこの懸念は深まるのですが
>,どうなのでしょうか?

私は分子生物学や遺伝子工学はあまり好きではありません.生き物を単なる材料とし
てしか見ていなくて,愛情が薄いような気がするから.
突然変異は自然にもおこります.ていうか,形質はどんどん変化します.微生物は増
殖速度,世代交代が早いですしね(最適条件では例えば大腸菌は20分で2個に分裂)
.薬剤耐性を持ち,抗生物質が効かなくなるなどと困ったこともありますね.まして
や遺伝子工学などでは,紫外線など当てて人為的に突然変異を起こさせて,役立ちそ
うな性質を探す戦略でしょう?細胞に穴を開けて他の遺伝子を入れるとか(その名も
ショットガン),”数打ちゃ当たる”って感じだし.形質って予想している/できる
ものですかね?その筋の方どうですか?生き物はなんでもありですから,予想しよう
がなく,不安もあります.

言いたいことは山ほどありますが,時間がないのでこの辺で.
また機会がありましたら,議論しましょう.楽しみにしています.
それではまた.

板橋志保
ita@ls.toyaku.ac.jp



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