[BlueSky: 1013] Re:1012 環境社会学会


[From] Taisuke Miyauchi [Date] Thu, 14 Oct 1999 13:41:46 +0900

宮内です。

> 先生は北海道の事例で公園という極めて限定された、しかもそこに住んでいる人
> が居ない等というような言わば日常生活と隔離された場所を用いて、環境自治に
> つながるであろう先駆的な取り組みとして紹介されたあと、地域という言葉を使
> い、環境自治を説いておられたと思うのですが、ここで言う地域とはどのような
> 地域なのでしょうか?例えば、行政単位なのでしょうか、事例のような公園レベ
> ル(町内会単位)なのでしょうか、それともバイオ・リージョンで言うような地
> 域なのでしょうか?
> おそらく地域というものは問題の大きさや関係者の関わりなどの運動?のよう
> なものがあって初めて限定されるものであり、問題の立て方によっては当然地
> 域割も違うだろうし、地域が重なり合う、または内包されたりする場合もある
> と思うのですが。要は多様な主体が多様な目的により、必要に応じて協力しあ
> うと言ったイメージでしょうか?

私の「地域」のイメージは、溝内さんが最後に述べられている通りです。原発の
「地元地域」は、最低でも100キロくらいに広げなければいけないでしょうし、公
園は利用者の規模によりますし、川の上流なら問題によっては下流地域も「関係
地域」になりうるでしょう。あるいは、何か問題が生じたところで/明らかにな
ったところで、「地域」というのは“生成”してくるものだ、とも思います。こ
のあたりは、友人の家中茂さん(環境社会学)が、石垣島の空港問題に揺れた白
保地区を例に、興味深い論文を書いています(家中茂, 「新石垣空港建設計画に
おける地元の同意」『年報 村落社会研究』(川・池・湖・海 自然の再生 21世
紀への視点)(日本村落研究学会)32:211-237.)
こういうのは、行政側や事業者にとってはたいへん“イヤな”あいまいさなので
すが、しかし、だからといって、勝手に「地元」を限定してしまうわけにはやは
りいかないと思います。

(なお、溝内さんと私のやりとりは他の皆さんには何のことやら分からないと思
いますので、私の環境社会学会でのレジュメを
http://reg.let.hokudai.ac.jp/miyauchi/kankyojichi.html
にアップしておきました)

P.S. 「先生」と呼ばれるのは苦手なので、よろしくお願いします。


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宮内泰介
miyauchi@reg.let.hokudai.ac.jp
http://reg.let.hokudai.ac.jp/miyauchi/



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