[BlueSky:06714] 【海外情報】 グローバル・グリーンズ バリ宣言(和訳文)


[From] "Shuji Imamoto" [Date] Sun, 9 Dec 2007 05:09:40 +0900

エコロ・ジャパン代表の今本です。
以下、COP13会合中に現地(バリ)まとめられた、グローバル・グリーンズの
共同声明の和訳を転送します。

【参考】グローバル・グリーンズ www.globalgreens.info

【原文】http://www.gp.org/press/pr_2007_12_05a.shtml

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グローバル・グリーンズ バリ宣言

2007年12月6日 インドネシア・バリ(COP13会合)にて


約束期間

気候変動の加速化およびそれらに対する不十分な対応、とりわけ最大の温室効果ガス削減義務を担う諸国による対応を憂慮
し、グローバル・グリーンズは、バリ会合において、2009年までに少なくとも危険を招く気候変動を避けるに十分な、世
界規模での温室効果ガスの削減のための拘束力ある仕組みを創設する旨の、交渉マンデートにおける合意を成立させるよう求
める。


グローバル・グリーンズは今回のバリ会合に対して、以下のことを要求する。

・ UNFCCC(国連気候変動枠組み条約)の基本原則およびメカニズムに則り、京都議定書を考慮しつつ、共通の、ただ
し程度の相違した責任体制を構築すること。
・ 世界の平均気温の上昇を、産業革命以前のレベルより2度以内に抑えるという長期的目標を設定すること。
・ 少なくとも2050年までに地球上の温室効果ガス排出量の削減を1990年比で60%削減するよう要求する。これを
先進工業国の拘束力ある削減目標にするとともに、とりわけ公正で均衡のとれた削減目標に即した経済活動に取り組むことに
より、世界のより多くの国々が排出量削減努力に参加するよう促す。
・ 適応および動機づけに関する、効果的かつ見通し可能な資金援助により、砂漠化や森林の劣化を避け、土地利用による排出
量を減らすこと。
・ クリーンな科学技術移転および技術装備を促進させ、有意義な進展状況を作り出すこと。
・ 持続可能な農業活動の促進を合意目標に取り入れること。さらに
・ 2009年までにその国際協定の締結を目指すこと。
 

グローバル・グリーンズは、世界の排出量削減努力が、核の脅威や核拡散、テロリストが核製造技術を支配するようになる危
険性、あるいは核廃棄物の安全な処分を不可能にする危険性といった、別種の脅威に導いてはならないことを主張する。
原子力は引続き、国際的な気候政策の枠組みの下で、排出量削減の促進を目的とするメカニズムから除外されなければならな
い。

気候変動は人権および国際的公正の問題、さらには国際平和を脅かす恐れのある安全保障問題としても認識されねばならな
い。グローバル・グリーンズは、公正な解決策を見出すことが、国際的な気候変動対策を成功に導く基礎であると考えてお
り、人口一人当たりの排出量にもとづく収束原則を支持する。

グローバル・グリーンズは、低炭素あるいは無炭素社会が可能であるとともに、それが生活の質を高めることにも結びつくも
のであると確信する。これを達成するために必要なことは、省エネ、資源効率化および再生可能エネルギー技術への投資を保
証し、今後10年間の、拘束力ある排出削減プロセスをスタートさせることである。

グローバル・グリーンズは、2015年までに来る世界の排出量ピーク、およびその後の温室効果ガス排出量が、自然吸収源
の吸収量でまかなえるレベルにまで減らすことが必須であると考える。しかもこの吸収量自体が低下しているという最新の科
学的検証結果による警告を認識すべきである。

先進工業諸国は、世界レベルでの気候変動対策において先導的役割を担わねばならない。グローバル・グリーンズは、先進諸
国に対して、2020年までに90年比で少なくとも30%、2050年までに80%の自国内における排出量削減を求め
る。

砂漠化および森林、とりわけ熱帯雨林の劣化は、国際的な気候政策の枠組みにおいて取り組むべき問題である。グローバル・
グリーンズは、効果的な国際基準、とりわけバイオディーゼルの急激な拡大に直結した負の影響を抑えるための国際基準を発
展させるための緊急の合意を要求する。
その基準は、地方自治体の権利を尊重し、途上国に対して公正でなければならない。グローバル・グリーンズは、炭素計測シ
ステムの改良と直結した、地球規模での生物多様性の計測システムを求める。

グローバル・グリーンズは、国際的な気候政策の枠組みはまた、すでに不可避の気候変動に適応する際に、低所得の被害を蒙
りやすい国々を支援するための、中立の立場で見通し可能な財政支援を提供しなければならないと主張する。
グローバル・グリーンズは、クリーン開発メカニズム(CDM)を、気候にやさしい科学技術を促進する手段として支持す
る。ただしこれは一種の相殺メカニズムとして、あくまで時限的な解決策であることを強調する。グローバル・グリーンズ
は、柔軟なメカニズムを利用することによって、国内排出量の削減が後押しされねばならないと考える。

グローバル・グリーンズ


(粗訳 エコロ・ジャパン)
http://lp.jiyu.net/ecolo.htm




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