荻野 行雄 様
>やはり、山仕事をしている人は、戦力として相当有用なのですね。
戦争にその能力(技能、技術)を発揮しなければならない状況になったら、やは
りそれは不幸なことであると思います。
現在と違い何でも機械がやってくれると言う時代ではありませんでしたから、様々
な智恵や技能を有していた方が多くいらっしゃったことは紛れもない事実です。
「超」能力者や、仲間内では「スーパーマン的」と言う表現を使ったりもします。
その言葉が、決して「大げさ」ではない所にすごさがあります。
実際目にしないと感覚としてとらえるのは難しいかもしれません。(魅力のある世界
です。)
> とりあえず個人の生産性の問題は、頭数をそろえることと、機械力で、やれるだけ
やっ>てもらうということかと思っていますが、長期的には、教育のところの「体
育」改革によ
>り、ナンバ的身体操法を訓練することでましになっていかないかと考えています。
数の増減にたいして生産性は反比例しやすい傾向にあります。
ある一定(高いレベルで)の生産性を維持するためには1haの中に3〜5人(枝打ちに
関しては10〜15人程度か?)程度までが限界かもしれません。
それ以上の人数の増加は、やはり反比例していくように思えます。
私自身は、是非、歴史の中で「林業」の足跡を「正しく」教えるべきだと思ってい
ます。
ブナ(シロブナ)は好きな木の一つですが、現状の「ブナ信仰」や「広葉樹信仰」の行き
過ぎはいただけないなと思います。
蛇足ですが、一番好きな木は、ミズメです。育てている気持ちがありますから、ス
ギやヒノキも好きです。ブナ(シロブナ)は真冬の吹雪の中、身じろぎもせず立ってい
る姿は心惹かれるものがあります。他にも色々ありますがこのあたりでやめときま
す。
> ところで、「林業技術の後継者の卵はたくさんいます」というところが興味深い
です。
>私の住んでいる辺りでは、そういう実感は特にありません。戦後の開拓で出来たよ
うな>地区だからかも知れません。
> その「卵」のみなさんが現在どういう状況にあるのか、ぜひ教えて頂きたいとこ
ろで
>す。
日本の平均生涯賃金(どうにか子供を育てられる程度でも)が保証されているので
あれば、やりたいと言う人はたくさんいると思います。傾向としては環境や森林関係
の高学歴の方に多いように思います。
「仕事」と割り切って就職したい、というよりも「ライフワーク」としてやってみた
いという方のほうが多いかもしれません。その中には、職人願望も含まれるかもしれ
ません。
山は、これからの50年100年を真剣に考えるのであれば、今非常に面白い岐路に来
ているのですが残念です。
いろんな意味で山の「カタチ」はこれからの20年が大切で、その後の100年が決ま
ると個人的には考えています。
小森谷孝志拝
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