小宮さん、みなさん
お久しぶりです。
> <カエル・ツボカビ症>国内で初確認 両生類絶滅の危険性も
> http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070112-00000044-mai-soci
確かにこのニュースはショッキングでした。輸入されてペットとして
飼われていた中南米産のカエルが感染していた、そして病原のツボカ
ビはもともとアフリカ固有と考えられている、というところにこの
問題の深刻さがあらわれているようです。直接の原因は自然界にもと
もとあったカビなわけですが、グローバル化した人間の活動によって
運ばれて、ひとつの外来生物の問題になっているわけですね。
ただ、日本をふくめて世界中でカエルの消滅は問題になっていて、
ツボカビ以外にもさまざまな原因が指摘されています。
松井正文『カエル―水辺の隣人』(中公新書, 2002年)には、
カエル減少の原因として、生息環境の破壊や改変、水質悪化、
水田耕作の減少、耕作方法や時期の変更、酸性雨、残留農薬、
極端な温度変化、干ばつ、人間による食料としての消費、
外来の他のカエルや外来魚による捕食、オゾン層の減少による
紫外線の増加、そしてツボカビといったものがあげられています。
また同じ本のなかで、環境省によるカエルの全国的な分布調査で、
トノサマガエル、ダルマガエル、モリアオガエルの減少が示され
たことが紹介されています。
世界的なカエルの減少については、
キャサリン・フィリップス著、長谷川雅美・福山欣司他訳
『カエルが消える』(大月書店, 1998年;原著1994年)
という本もあります。この本では、訳者あとがきで、ツボカビ
について少し書かれています。
須賀 丈
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