<各位>
再度のご案内で大変恐縮ですが、下記書籍を出版しましたので、この欄をお借りし、ご案内させていただきます。
一人でも多くの方に読んでもらえれば幸いです。
地球温暖化問題の解決を「市場」に委ねてもいいのだろうか。
帯に掲載させて頂きました推薦の言葉(再録)
「早くも2000年の時点で、京都議定書を支配する市場万能主義の危うさを類書にない分析の確かさで見抜いた書」(法政大学社会学部教授・環境社会学 池田寛二)
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書名 『増補新版「京都議定書」再考!−温暖化問題を上場させた“市場主義”条約』
著者 江澤 誠
出版社 (株)新評論
大きさ 四六判上製
頁 352頁
価格 2900円(税別)
ISBN 4-7948-0686-8
「2000年に上梓した本書旧版『欲望する環境市場−地球温暖化防止条約では地球は救えない』は、京都議定書を中心とした地球温暖化問題と市場との関係を問うたものである。
京都議定書は、主に、地球温暖化の原因はCO2であるとするIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の見解を基にしており、「環境保護派」の人々は、削減率などに不満はあるものの、人類を救う第一歩として評価した。
しかし、筆者には京都議定書がたいそう危ういものに思われた。旧版は京都議定書のその危険性に言及した疑義の書であった。
京都議定書では、CO2の削減方法として、排出枠取引など、市場を通してのCO2売買が認められたが、これは言葉を換えていえば、CO2を上場したことであり、地球環境問題が市場の論理で動いていくことを示していた。しかし、はたして気候変動などの環境問題を、市場が解決できるのであろうか。
今日のパン代にも困る途上国につけ込んで、先進国が排出枠を安く買いたたくことも考えられよう。その時、途上国は石油などの安定的な消費から見放され、貧困との間で負の連鎖に陥らないとも限らない。環境問題を市場に委ねることには、大きな危険が伴うのである。
旧版を世に問うて以来、世の中の市場主義への流れはますます加速している。それに抗する意味で、旧版以後の五年間に起こった気候変動(地球温暖化)と市場に関わる主な出来事を書き加え、増補新版を出すことにした。
京都議定書は発効したが、京都議定書の採択と同様に、それが発効したからといって喜べるものでもない。むしろ、CO2の上場と売買は、京都議定書の発効によって正当性を与えられ、今後ますます市場の攻勢は強まるであろう。増補新版には、京都議定書を問い直すための有益な情報を盛り込んである。」
詳しくは、著者のホームページ、または(株)新評論のホームページをご覧下さい。
著 者 http://www5d.biglobe.ne.jp/~ezawa/newpage2.html
(株)新評論 http://www.shinhyoron.co.jp/
転送歓迎いたします。
著者 1949年千葉県大多喜町生まれ。1973年同志社大学法学部政治学科卒業。地球温暖化問題、環境政治学、国際関係論が専門。著書『欲望する環境市場−地球温暖化防止条約では地球は救えない』(本書旧版,新評論,2000)、『環境保全費用を誰が負担するのか−地球温暖化防止のシナリオ』(中央経済社,1998)、『成功した後継者たち−中小企業の事業承継対策』(中央経済社,1997)、『新日本21世紀文学叢書 小説集
「ぼっこん」』(新日本文学会出版部,2002)他。
所属学会 日本環境学会;環境経済・政策学会;環境科学会;日本国際政治学会
(従いまして、ご案内が重複する場合があろうかと思います。ご海容のほど、お願い申し上げます。)
目次
基本用語解説
序章
第1部 科学から政治・経済の時代へ
第1章 黎明期
1 未だしの時代
2 地球温暖化の認知
(増補版補遺)
第2章 1988年、アメリカによる認知
1 温暖化の現象
2 科学から離れて
(増補版補遺)
第3章 1992年、気候変動に関する国際連合枠組条約の成立
1 地球サミット
2 南北対立と非政府組織(NGO)
(増補版補遺)
第2部 地球温暖化防止交渉
第1章 温暖化防止の方法
1 地球温暖化のメカニズム
2 温室効果ガス削減の方法
(増補版補遺)
第2章 環境という名の通商交渉
1 地球温暖化防止京都会議(COP3)
2 開発途上国
3 先進国
4 NGO
5 COP3〜COP6
(増補版補遺)
第3部 欲望する環境市場
第1章 市場国家の野望
1 市場主義
2 市場の拡大と変容
3 削減対象の温室効果ガス
4 京都メカニズム
5 バンキングとボローイング
6 アメリカの7%減
7 基準年
8 ロシアの0%
9 オーストラリアの8%増
10 差異化
11 市場に誘われる開発途上国
12 不平等条約と利得
13 内政干渉
14 犯罪という側面
(増補版補遺)
第2章 排出枠取引
1 排出枠取引とは
2 二酸化硫黄(SO2)の排出枠取引
3 窒素酸化物(NOX)の排出枠取引
4 温室効果ガスの排出枠取引
5 排出枠取引の市場規模
第3章 金のなる樹
1 吸収源(シンク)
2 グロスとネット
3 何を植えるか
(増補版補遺)
第4章 共同実施(JI)・クリーン開発メカニズム(CDM)
1 共同実施活動(AIJ)
2 国連機関・NGO等による排出削減プログラム
3 共同実施(JI)
4 クリーン開発メカニズム(CDM)
(増補版補遺)
増補第1章 京都議定書を離脱したアメリカ
1.冷戦構造崩壊後のアメリカの公共事業
2.新グループの結成
3.一国主義と国際協調
4.アメリカにおける今後の排出枠取引
第2章 ヨーロッパ−排出枠取引の進展−
1.EUの拡大とCO2の削減
2.地球環境問題におけるイニシアティブ
3.排出枠取引の本格的稼働
第3章 ロシア・プーチン政権と京都議定書
1.キャスティング・ボートを握ったプーチン
2.相対取引のシナリオ
3.WTO・NATO絡みのシナリオ
4.売らないかもしれないシナリオ
第4章 日本の環境外交と京都議定書の今後の展望
1.マラケシュ合意
2.気候変動に関する日本の環境施策
3.第2約束期間、そして展望
気候変動(地球温暖化)問題に関する年表
総索引
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江澤 誠
http://www5d.biglobe.ne.jp/~ezawa/
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