[BlueSky:06403] Re: 英仏 滞在1日で献血禁止 


[From] "Y. Kuzunuki" [Date] Sat, 12 Mar 2005 10:48:12 +0900

葛貫です。

小宮さんwrote:
> 日本で変異型ヤコブ病の患者が見付かったことで、厚生労働省は
> 一九八〇年から九六年にかけ、イギリスとフランスに一日以上滞在
> していた人の献血を禁止することを決めたそうです。

> 一日でもアウトということは、僕も10年ばかり前に観光旅行に
> 行ったことがあるから該当してしまうんですよね。これはかなり
> 多くの人にあてはまるんじゃないかな?感染問題とかあって
> 献血不足とかいわれてますが、ますます不足することになって
> しまうのではないでしょうか。


「生きたままでBSE判定 血液採取、感染を早期発見」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050305-00000020-kyodo-soci
********
 生きている牛の血液を採取し、牛海綿状脳症(BSE)の感染を
短時間で調べる装置の開発を、北海道大電子科学研究所の田村守教
授(生体分光学)らのグループが進めている。夏ごろまでの完成を
目指しており、感染牛の早期発見や、これまで難しいとされてきた
若い牛の感染確認に役立つことが期待される。・・・後略・・・
********

もう少し詳しい解説がJST nwes 2月号に載っていました。
http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/2004/2005-02
 (この号の「ひらめきと工夫でつくる科学番組」も面白かった)

「BSEの全自動検査装置 生きた牛からプリオンをとらえる」
http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/2004/2005-02/page10.html

********
生きたままの検査にはさらに、異常プリオンタンパク質の構造を直
接認識して特異的に結合する抗体の開発が鍵になる。抗体作製もも
っか進行中だ。高 感度検査法が誕生すれば、検査できるのは牛だ
けではない。プリオン病感染者からの輸血感染を恐れて、現在、各
国で輸血や献血の規制がおこなわれている。BSE の多い英国では輸
血用血液の多くを海外に頼らざるを得ない状況だ。検査法がない
ため、万一を恐れての措置である。
**********

研究者間に連携があるのか、私にはわからないのですが、上記の研
究のネックとなっていた抗体もできたようです。

「広島大、変異型プリオンのみを検出できる抗体の開発に成功」
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/medi/363413
*********
広島大学大学院生物圏科学研究科の松田治男教授のグループは、 
ニワトリ抗体を用いて、牛海綿状脳症(BSE)の原因である変異型
のプリオンたんぱく質だけを特異的に検出できる抗体の開発に成功
したことを明らかにした。
**********

この検査システムが実用化されたら、生育履歴のトレースは無理で
も、屠殺直前に採血することにより米国牛のBSE感染チェックも
実施やすくなるのではないかな、と思うのですが、どうでしょう。

どんな簡便な検査法ができても、米国はBSE感染の実態が自国民に
明らかになることを歓迎しないかな(^^;。

この方法で、ヒトへの感染も血液検査でわかるようになるんですね。
潜伏期間がどれほど長いかわからず、遺伝子型等、場合によっては
BSEの顕著な症状が出る前に、他の原因で死ぬこともあり得る。
そういう状況の中で、今のところ治療法がないプリオン病の種子が
自分の身体に既にまかれていることを知らされるって、その後の
ケアが大変そうですね。


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