[BlueSky:05996] Re: オゾン処理について


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Thu, 22 Jul 2004 11:29:39 +0900

こんにちは、葛貫です。

船石さん、はじめまして。

船石さんwrote:
> 次亜塩素酸ソーダ以外の消毒方法としてはオゾン以外にも開発され
> ていますが、オゾンと残留性の消毒剤を併用して、トータルとして
> の消毒剤使用量と消毒副生成物生成量を削減しようという試みもあっ
> たと記憶しています。

オゾン処理は、藻類やカビ類が作る悪臭を上水から除く技術として
用いられ始めたのだと思いますが、オゾンが持つ消毒効果も期待さ
れているんですね。(脱臭と消毒、どちらの方が沢山のオゾンが必
要になるか、知らないのですが(^^;)。


何年か前に、多摩川の雄のコイの生殖腺異常に、下水処理後の放流
水中に含まれる人の尿由来の女性ホルモンが影響している、という
話がありました。

最新の資料がWebでは見当たらず、少し古い資料なのですが、
「多摩川等の環境ホルモン問題について−コイの精巣等の調査研究−」
http://www.kankyoken.metro.tokyo.jp/japanese/kenkyu/hormon/hormon.htm
をみると、雄魚の血中のビテロジェニン(本来は雌魚にしか産生さ
れない卵黄タンパク質の前駆体)の総量濃度が高い地点は、下水処
理場の下流近くにあることから、放流水に含まれる天然女性ホルモ
ンおよび人工女性ホルモン様物質による影響と推測されるそうです。


「数字で見る東京の下水道−平成13年度の下水処理の状況」をみると、
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/gijyutou/fukyu/m1data/13ehoru.htm

(1) 内分泌かく乱化学物質
1) 放流水中の内分泌かく乱化学物質の濃度は、流入水に比べて低
減されていました。
2)ノニルフェノールは、ろ過、オゾン処理等の高度処理工程にお
いて低減されていました。
3) 汚泥中の内分泌かく乱化学物質は、ほとんどが固形物に吸着さ
れていました。汚泥中の内分泌かく乱化学物質は、汚泥の焼却によ
り分解されることが昨年度の調査で確認されています。

(2)人畜由来ホルモン
1) 放流水中のエストロン濃度は、多くの処理場で流入水に比べて
高くなっていました。17β-エストラジオールとエストロンは、相
互に変化する物質といわれていることが影響していると考えられま
す。
2)合成ホルモンのエチニルエストラジオールは、検出されません
でした。
ということでした。


水域に放出されたエストロンの分解速度がどの程度のものか知らな
いのですが、「放流水中のエストロン濃度は、多くの処理場で流入
水に比べて高くなっていました。」というのは、野生生物への影響
も心配ですが、下水処理水が流入している水域の水を上水に使用す
ることになる地域のヒトへの影響も気になります。
最近は、こういった物への対策も講じられるようになってきている
のでしょうか?


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